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2016年1月21日木曜日

Case #62 - メデゥーサ

トレイシーはある夢を見ました。彼女はある男を殺して、彼を戸棚の中に隠したのです。そして、彼女は周りにばれないように証拠を隠滅しようとしました。彼女は心の奥底で自分の母親に責任を押し付けようと思っていました。彼女が廊下を歩いると探偵であり、心理学者でもある男性に会いました。歩いて行く時に彼らの手が触れ合いました。彼女は、夢の中で彼にも自分がしたことがばれないようどうしたらいいかを考えていました。バックグラウンドではサスペンスでよく使われる音楽が流れていました。
私たちは、ゲシュタルト法を用いて彼女の夢の意味を探っていきました。
私はそれが現在起こっているかのように、それを再び語るよう彼女を促しました。そうすることにより、「夢」を無意識から意識のあるところに持って行こうとしたのです。
彼女が話している最中、わたしはたまに彼女をとめて、今どのように感じているか具体的に語ってもらうようお願いしましたー例えば彼女が殺した男について、など。
そして、私は彼女に自分が殺した男になりきり、彼であるかのように話すように、と言いました。
「男」(になりきったトレイシー)は、トレイシーは冷たく、計算高く、タフだと言った。
彼女が「自分」に戻ったとき、彼女は、笑い、身をよじり、「男」に言われたことを受け入れたくないようであった。
次は心理学者との対面に関して話す番だった。夢の中で、彼女はに真実がばれないようがんばっていたのだ。
今度は彼女は、心理学者を演じた。「彼」は、トレイシーがとても強くパワフルな人間で、彼女からは何も探りだすことができない、と感じていた。
わたしはまた彼女に焦点を戻し、彼女が自分で出した「パワフルで、 冷淡で、計算高く、タフである」という言葉を繰り返した。それに対し、彼女は自分がサディスティックな感じでもあると思う、と付け加えた。なのでこれらの言葉をまとめてみた。
わたしはグループから二人の女性にに出て来てもらい、それらの資質を具現化するようお願いした。それから私は女性たちと同じことをトレイシーにするようお願いした。彼女はそれをすることに戸惑い、つい笑ってごまかそうとしてしまったが、私は、この「実験」を続けて、その強力な女性としての自分自身を感じるように彼女を励ました。わたしは一人には死体の役をお願いし、他の誰かには、あたかも自分は誰も傷つけたことがないような、無罪を主張している彼女の一部を演じるようにお願いした。
そして、私は「人を殺すことができる」ようなするどい目つきでグループの男性何人かを見るよう彼女に指示した。彼女は自分の力を感じたが、やはり笑ってしまった。しかし、彼女は笑っているとき、自分が悪女のように笑っているのを感じると言った。笑い、というのはほとんどの場合、しっかり物事を体験しないで逃れようとする責任回避のひとつでもあるのです。
私は彼女にお腹から息をするように言った。それは、彼女が上のほうを向いて高いところから呼吸をしているように見えたからだ。
彼女が言われた通りすると、自分の胃の中に石があるかのように感じると言った。そして、その直後に心臓の血管がつまっている感じがする、と。私は彼女に呼吸を続ける様に促し、井の中の石を感じ取ると同時に、彼女の内なるパワーを感じるよう促した。
彼女は、これは、両親から拒否された経験と、自分が今まで性欲を抑制していたことが理由だと述べた。彼女は手に短剣を持っているように感じ、それをつねに手の中でまわしている感覚を持っていたのである。彼女はなんとなく、視線ひとつで男を石に変えてしまうメデューサのように自分を思っていた。彼女はそのことを考えるとき、自分の中で楽しい性的な感情がわいてくることを述べた。
彼女は今までとは違う表情をしており、真剣になっていた。先ほどは全く違う人かのようにはるかに深刻な表情で、もはや笑いや「無邪気な」自分は見せていなかった。
やっと彼女は自分の中にあるパワーを認めはじめることができたのです。自分の内なるパワーを理解することにより、彼女は自分の中にある全てのもの、それはキラー(殺し屋)である自分、セクシーな自分、そして女性としてのパワーを持つ自分、を体験することができたのです。
ゲシュタルト法では、私たちが自分で自覚していない部分こそが危険性を持つ、と考えられている。クライアントが自分の中にある未知なるものを意識することにより、全ての要素を取り入れて、物事を考えることができ、ある意味「自分の行動に責任をとることができる」のである。これこそがゲシュタルトの求めている存在性なのだ。それは、クライアントに対し解決策や道徳的な知恵を与えるのではなく、人々が自分のうちなる存在全てを認めることへと導き、そのようにしてそれぞれ自分の願いを正直に出すことができるように、セラピストは導くのだ。
今回のセッションではわたしはエネルギーがどう動いているかに集中し、トレイシーが目を背けていた自分(自分の攻撃性やパワーなど)をしっかりと見つめるよう促した。彼女はこのような自分の一面を認める事がなかなかできなかったが、今回のセッションを通し、彼女は今まで納得のいかないまま受け入れていたものをやっと解放することができた。


2016年1月13日水曜日

Case #61 - 自分の性的感情を認める


リンダは33歳で独身だった。彼女は男友達はたくさんいたが、みんな「ただの友達」だった。そしてなかなか「お友達」からロマンチックな関係にはつながらなかった。
今回の彼女の目標は自分の中にある「未知なる自分」を探すことだった。わたしは彼女との共通点を探っていくために、まずはわたし自身も「未知なるもの」に興味があることを示して行った。わたしたちは、お互いのことをまだあまり知らないということを指摘し、そしてわたしが彼女について知りたいことを話した後に、彼女もわたしに何か質問をするように促した。ゲシュタルト法では、はっきりとしていない、もやもやとしていてる土台を「創造的虚空」と呼び、未だ分からない未知なるものをクライアントから引き出すためにセラピストが用いることがある。
彼女は両親に貼られた「いい子」というレッテルがいやでいやで仕方がないことを話してくれた。彼女は両親がいつもリンダが付き合う男の子たちを認めてくれなく、リンダは良く両親の目をさけてボーイフレンドたちと合うために窓から忍び出て行ったことを教えてくれた。彼女は自分の意思で考え、自分の人生を形成していきたかったが、どうしてもそれが難しかったのだと打ち明けてくれた。
これらを全部組み合わせると、リンダは自分の女性らしさというものに問題をかかえているようだった。彼女が「いい子」になろうとするがゆえに男性との関係において完全に女性らしさを出すことができなく、そのために友達以上の関係になることができなかったし、またそれ以上の関係になっても自分からまた「友達関係」にもどそうとしてしまうのだった。
わたしのチャレンジは彼女が自分の女性としての性的魅力を認めるためにどのようなことができるかということだった。わたしは他の参加者に声をかけ、自分のことをバッドガール(性悪女)だと思っている女性はいないか聞いてみた。ただひとり、マルチーナが手をあげた。わたしはリンダに「バッドガール」とはどいうものか教えてあげるようにマルチーナにいった。ゲシュタルト法ではコミュニティのサポートを利用することを大切にしており、特に自分の性に関してなどの敏感なトピックは、自分一人だけが問題をかかえているのではないこと、また自分がさらされているという思いが少しでも軽減され、ほかの人達と一体感を持ち、そのことが恥ではないということを感じることができるよう、まわりのサポートをうながしている。
マルチーナは自分にとって「バッドガール」とは「いい子」「悪い子」ということよりも、他人に決められたことではなく自分で物事を決め、自分にとっては何が良いのかということを判断することだ、と教えてくれた。
そこでわたしはリンダに焦点をもどし、彼女が今どのような気持ちでいるか聞いた。彼女はいつも自分の体に対しては敏感ではなかったので、自分が何を欲していて何を求めているのかが分からないと答えた。このことは彼女の性というものを探っていくなかで、あきらかに障害になりそうなことだった。
リンダが自分の性をみつめ自分の一部として受け入れることができるよう、わたしはあるアクティビティを試みた。このアクティビティはとても慎重に行わねばならないものだったので、わたしはリンダに自分がやりたいことだけ選び、必要だったらアクティビティを中断することも可能だと伝えた。また、このアクティビティにおけるルール(境界線)も説明した。それはグループでのみやるべきことであることと、アクティビティに参加する男性は彼女のサポート役となるためだけに参加するということ。
性に関してのカウンセリングにおいてははっきりとした境界線をはじめに引いておくことがとても大切です。
わたしはリンダにこのグループの中で一番魅力的な男性を選ぶ様にと言った。そしてお互い向き合って立つように指示した。リンダに今何を感じているかを聞くと、彼女は少し緊張しているが他には特に何も感じていないと言った。わたしはリンダに体の中のエネルギーを循環させながら呼吸をし、男性を見つめるように促した。彼女はわたしの言った通りにしたが、何回か繰り返すうちに「彼はもうそこまで魅力的に感じないわ」と言った。それは彼女は自分のうちの性的なエネルギーを抑え、いつもの通り「お友達」へと変えていたからだ。わたしはリンダにそれを指摘し、彼女が本当に未知なるものを見つける心の準備ができているかを聞いた。こう聞くことにより彼女がもともと言っていた「未知なる世界」の発見を助けることになったし、彼女のほうから言って来たことだったので、もしかすると肯定的に受け止めてくれると思ったからだ。
彼女はわたしの提案に賛成したので、彼女に呼吸を続けながら相手の男性を見、自分の身体のどの部分で快楽を感じ、またどのようにそれを感じるかを考えてみるようにと言った。はじめは特に何もなかった。しかし、少ししてから彼女は上半身にあついものを感じた。わたしは彼女を励まし続け、呼吸を続けるように促した。また少し経ってから、彼女は自分の体の中にあるあついものが上半身からお腹のあたりまで、そして腰のあたりまでエネルギーが動いていくのを感じることができた。
アクティビティで相手の役をしてくれた男性はこの体験を通して彼が気づいたことを話してくれ、私たちはその後しばらく色々と話し合った。
彼女は今までセックスの時以外は意識的にこのようなエネルギーを感じることができなかったので、この体験は彼女にとっては大きなステップだった。彼女は自分が持っているパワーやそれをどのように持ち出し、男性との関係で引き出して行くことができるのかを今まで知らなかったのだ。
心理療法で「性(セクシュアリティ)」はとてもデリケートで難解なトピックである。セラピストがしっかりとした境界線を引かないと権利乱用や虐待へとつながることもあるので気をつけないといけない。
しかしながら性の面で精神的治療が必要な人は沢山いて、他のどこでもそのような助けをうけることはできないであるから、セラピストがこのトピックを恥ずかしがって逃げてしまうのもよくない。
今回のアクティビティは沢山のサポートの中でゆっくりと、クライアントのペースで彼女にとっての「未知なるもの」を探って行くものだった。
彼女の両親との関係で「解決すべきこと」について話すこともできたが、彼女はこの新しい体験を経験する準備ができていて、過去にしばられたくなかったので、一歩踏み出すことができた。
多くの人は何かに関して自分の中の意識を遮ってしまっていることがある。「性」については特に多くの人が考えない様にしてしまうトピックのひとつである。それは時には過去のトラウマによるものでもあるが、社会的な要素や家族から無意識に伝わったことにより性的な感情を抑制してしまっている。
このような様々な理由により抑制されてしまっている性的感情を取り戻すために「なんでもあり」の性という考えを導入しようとしても逆効果になる。そのためゲシュタルトセラピーでは「性」というものがおおぴらに表現されているものでもなく、抑制されたものでもなく、私たちの人間としての存在の中で自然なものとして表現されることを目的としている。

2016年1月6日水曜日

Case #60 - 憎悪と愛情

わたしはジェレミーとミランダ夫妻が自分たちの心にひそんでいる攻撃性や怒りに触れることができるよう、お互い手のひらをあわせ押し合うアクティビティを提案した。
しかしこのアクティビティが終わったあと、ミランダは怒りだしてしまった。彼女は夫のジェレミーに対してとても腹を立てており、彼との関係に行き場を失っていた。というのは、彼女にとって大切な話があるとジェレミーはすぐ冗談を言い、笑って真剣に話を受け止めてくれないからだ。彼女は彼のこのような性格に大変怒りを感じており、ジェレミーが彼女のことを全く見てくれてないと感じていた。
そこでわたしは、ジェレミーとミランダをお互い向き合わせ、ミランダに夫に「わたしは今、あなたのことが嫌いよ」と言うようにと言った。
このような表現はゲシュタルト法で用いられる方法で、相手との心のつながりをつくることができる表現だ。このように言うことは相手のせいにしていないし、自分の気持ちを素直に表情しているし、とても淡々として分かりやすい。
彼女がわたしが言った通りに夫に言うと、夫は爆笑しはじめた。
このように笑うことは楽しみを表すこともあるが、今回ミランダが自分の大切な気持ちをはっきりと伝えようとしている時に笑うというのは、相手をシャットアウトし蔑むことになり、このような行動をゲシュタルトでは「逸脱」と呼んでいる。
彼の笑いは妻の怒りを正直に受け止めることができない自分を隠す道具となっており、彼女と向き合って怒りを受け止めることができない自分を隠していた。
なのでわたしは彼が真剣に妻の話を聞く事ができるように、お腹から呼吸をし、あごをリラックスするように言い、彼が妻の怒りに圧倒されてそれを受け止めるのがいかに難しいことであろうかということを言った。
彼はなかなかまじめになることができなく、ジェレミーが笑いを発する度にミランダの怒りは激しくなり、「この人はいつも真剣な話をしようとするとこうなのよ!」と怒った。
わたしの助けによりやっとジェレミーはなんとか真剣になりミランダの話に耳を傾けはじめることができたので、わたしはミランダに気がすむまで何度も夫にはっきりと先ほどの「今、わたしはあなたのことが嫌いだわ」という言葉を繰り返すように促した。
彼女は激しい感情の中で何度も何度もこの言葉を繰り返した。彼女がやっと全てはきだすと、落ち着きを取り戻した。そして自分があまりにも正直に怒りを表すと、ジェレミーが彼女のもとを去ってしまうのではと恐れていることを打ち明けてくれた。
わたしはジェレミーにそんなことはないと妻に言ってあげるように促した。彼もまた妻が自分のもとを去ってしまうのではと恐れていることを話はじめたが、まだミランダは自分の言いたい事を全部言い終えていなく、それを言うまで夫の言い分を受け止める余裕はなかったので、わたしは言いかけたジェレミーを止めた。
ミランダは話を終え落ち着きを取り戻し、自分がどれほど夫を愛しているかを彼に話した。ジェレミーもまた自分の気持ちを妻に正直に話すことができ、夫婦の間には目に見えてわかる強く、深い絆が生まれた。
ゲシュタルト法では人々が自分の心を正直に、かつはっきりと相手に伝えることができるようクライアントをサポートするのが目的である。これらの目的を達成することにより他のことも自然と解決へと導かれる。またこれらのことを達成するためには感情を探り出す助け、実際的な言動のサポート、そして抑制を必要としている。

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