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I teach and practice Gestalt therapy, Career decision coaching, and Family Constellations work. As well as Australia, I teach workshops and training in China, Japan, Korea, the USA & Mexico. I am author of Understanding The Woman In Your Life, a book of advice for men about relationships with women. In my work as director of Lifeworks I provide therapy,  training and supervision. I am a Phd candidate, studying the interpersonal dynamics of power, and am currently director of an MA in Spiritual Psychology for Ryokan College, an accredited online institution based in LA.

2013年11月25日月曜日

ケース#10 - 恐れ、攻撃性、そして悦び

ブリジットは傷つきやすい女性です。以前、彼女には酷いアレルギーがあり、環境に対して肉体的に順応できず、極端に怖がりな性格でもありました。

もし誰かが彼女に対して怒っていたら、それは彼女にとって耐え難いものでした。パートナーと意見が合わない時でさえ、彼女は落ち込んでしまいました。

「私の身体は自分のもののように感じないわ。自分の身体である感覚がないし、境界線を感じることができないの」彼女はこう言いました。

彼女には心と身体が一体になっている感覚がありません。彼女の周囲の人々が満足していない時は、とくにそう感じました。

私は彼女に思い当たる原因があるか尋ねました。彼女は強情だったり、他の人に無神経だった時期があったことを話しました。

私も自分の強情さや無神経さを話しました。

彼女はキツイ目線を作って、何も言わなくても人を押しのけることができると言いました。

私はそうしてみるように言いました。すると彼女はこう言いました。「その目線は赤く熱く、人を殺すこともできるのよ。」私はその赤くて熱い目線をしばらく維持して、人々を焼いてしまうよう勧めました。すると彼女は人の顔を平手打ちすることを想像したことを教えてくれました。

彼女は若い頃、性的なことで利用されていました。そして、男性に対して激しい怒りを持っていました。

そこで私は、彼女を利用した男性を平手打ちしているところを想像するよう勧めました。

彼女はそれに従うと、力を感じることができました。私は身体の他の部分でどう感じるかを尋ねました。彼女は筋肉、皮膚や脚に力強さを感じていました。

先ほどまで彼女の身体は「拷問にあっているかのよう」に感じられていましたが、いまは心地良く感じられるのです。

次に、私たちは彼女の性に対する感覚を話しました。長年の間、彼女は性的なことに臆病で、怖くて、パートナーと一緒に居るとよく固まっていました。私は彼女にパートナーとのセックスに積極的である自分を想像するように言いました。その想像はとても良くできました。

私たちは彼女の他の部分で積極的になれるものを探してみました。すると、息子とキャッチボールをすることがそうであることが分かりました。

彼女は心の中に輝きを見つけました。

このセッションは、彼女が「弱く感じる」という話や「身体に対して驚いている」という話から始まりました。この無力な感覚は彼女にとって馴染み深いもので、大人になってからの人生の特徴でした。その結果、夫との愛情行為が邪魔され、活力のあるコミュニケーションが失われました。

「不当に扱われる」ことは「他人に影響を与える」ことの対極にあります。彼女の性格は静かですが、彼女の中にある押しの強い経験を見るけることにより、彼女の怒りにアクセスすることができました。

身体に現れた特徴として、彼女の目が挙げられます。それは怒りの経験を深めてくれる鍵となりました。攻撃性を視覚化することが必要でした。

他の誰かに怒りをぶつける「演技」をさせる必要はありません。むしろ、対極にあるものに踏み込み、それらが一人の人として統合されるということでした。

変化は劇的でした。彼女は傷つくこと、無力なこと、怖がること、あるいは解離することがなくなりました。彼女は攻撃性について「立場を逆転」したばかりでなく、パートナーとのセックスにおいても前向きになりました。それは長い間なかったものでした。

楽しみながら積極的になれることを発見したことは、セックスであれ、息子とのことであれ、彼女にとって新しいもので、違う視点を与えてくれました。

2013年11月24日日曜日

ケース#9 - 問題解決に必要なのは解決策ではない

ジェーンには思春期の息子がいました。やる気を出させるのに苦労しています。厳しくして学校で良い成績を収めさせるのか、彼自身に合ったレベルのことを見つける余裕を与えるのか迷っていました。ジェーンの息子はインターネットばかりしています。

ジェーンは私に、アドバイスや解決策や指導を求めてきました。

私には5人の子供を育て上げた経験があるので、喜んで育児についてアドバイスすることも当然ながら可能でした。彼女にとって役に立つ意見はたくさんあります。

しかしながら、彼女のお願いを私は断りました。そして、いまの状況についてどう感じるかに焦点を当てるよう投げかけました。彼女の話は、あちらこちらに飛んでいました。育児教室での良かった思い出、息子に対してやってみたけど上手くいかなかったこと、などなど。いまここで、私と話をして、彼女の気持ちを伝えてもらうことが困難でした。

私は子育てをしていた時の気持ちを話してみました。すると、彼女は心を少し開いて、不安で緊張していたことを話してくれました。しかし、そうしながらも、彼女は笑っていました。私はいま聴いた話といま見ている彼女の表情を伝えました。そして、それについて彼女自身がどう思うかを尋ねてみました。

いつも心配して浮かない表情をしているよりも、笑って話をするように努めている。ある意味、私が指摘したことは良い結果を招いたようです。

とはいえ、いまだ彼女は緊張感を見せていて、先ほどの指摘だけでは十分ではなかったようです。

そこで、彼女と私がいまここにいて話をしていることに集中することにしました。私はさらに彼女の経験について聞き出し、私が同じくらいの歳の子どもを育てている時の気持ちを伝えました。

少しずつ、彼女は感じるということを許可していきました。私は彼女にもっと深く呼吸するように言いました。

彼女が感情を失った時は、何もないところから解決策を見つけるよりも、そこに留まってみることを提案しました。二人で同じところに留まってみる。約一分間そうしてみました。

すると彼女はリラックスして、内側から温かいものを感じ始めました。私は彼女がお腹からあばらにかけて手を添えていることに気がつきました。私はそれに意識を持っていくよう促しました。普通ならば彼女はお腹で不安や緊張を感じます。いま彼女は同じ場所で温かさを感じています。私はその感覚を感じながら十分に呼吸するように勧めました。

今度はもっと深く感じています。そして彼女は泣き出しました。彼女は深い感情と共にこの場を感じています。悲しみと温かさがいまここにあります。

この瞬間、統合が起きました。

最後に、私自身が試して効果があった育児法を彼女に教えました。彼女は考えること抜きで、開放された心でそのメッセージを受け取ることができました。

ここで大切なのは、彼女が欲しがっていた他の人が与えていたような解決策を語ることではありませんでした。むしろ、私は彼女の忍耐力を一緒に経験して、いま私と居ることや、何かを見失ったという感覚を十分に味わうことを選びました。結果として、彼女は自分自身を十分に感じることに許可を与える事ができました。注視すべきは行動レベルではなく関係性だったのです。

2013年11月16日土曜日

ケース#8 - 男性不信

ガブリエラには4歳の息子がいて、その子の父親とは違うパートナーとの子どもを身ごもっていました。そのパートナーの名前はホセといい、彼女にとって恋人という関係です。二人がお付き合いを始めてから2年の時が経っていました。

ガブリエラは男性関係について矛盾を感じていました。ホセは彼女をサポートしていたし、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていました。彼には、別の女性との間に9歳になる子どもがいますが、その子とは一緒に暮らしていません。

ガブリエラは男性に対して激しい怒りを感じていました。彼女のお父さんはあまり子どもと接することはなく、近づくことができず、そして、彼女を褒めることは滅多にありませんでした。そのため、ガブリエラは男性に対して優しさを望んでいて、距離が離れるような兆候には拒絶感を持っていました。

ホセはいつも彼女と一緒にいました。しかし、結婚することには躊躇していました。彼女はホセのそんな態度に、激しい怒りを感じていました。ガブリエラが感情的になれば、ホセは離れていくかもしれない。どちらにしても、彼女は自分の生き方を難しくして、一つの馴れ親しんだ結論に至ってしまいます。「強くあれ。頼れるのは自分だけ」

彼女がその選択をした時に起こる問題は、彼女が求めてやまないサポートや優しさから自分自身を遠ざけてしまうことです。

そこで、私は男性である私とワークをすることを勧めました。そして、男性のどのようなところを信用できないか、私に直接言ってみることを勧めました。例えば、このような内容のことです。「私はあなたが優しくしてくれるなんて思っていない。あなたは私に興味があってここにいるなんて思っていない。私はあなたを信用していない」などなど。

彼女は、私に直接そんなことを言うことを躊躇していました。私は「大丈夫」と伝え彼女を励ましました。

すると、彼女は思っていたことを私に直接言いました。私がどんな気分か尋ねると、少し感覚が麻痺していると彼女は言いました。そこで、私は彼女に深く呼吸して感情を開くよう伝えました。私は同じことをもう一度私に言うようにと伝えました。今度は怒りの感情を込めて。

彼女はそうしてみました。すると、涙が溢れ出てきました。私が彼女の話を聴くということだけでは、感情を引き出すことも反応を見ることもできなかったでしょう。私がしたことは、しっかりとそこに居て、彼女の心の深いところに触れたことです。「私はここであなたのことを大切に想っていましたよ」と伝えました。彼女は泣きじゃくりました。ガブリエラは怒りと共に男性を押しのけることに馴れすぎていて、彼女にとって新しい経験をもたらしてくれる人を見つけることができずにいました。

落ち着くにつれて彼女はこう言いました。今日のパワフルな経験を持ち帰り、自分のものにしたい。怒りを持っていることと彼女にとって何が必要かの両方を知ることで、子どもの頃から持っていた深い欲求は満たされることが可能になりました。

今回のワークは「治療」が必ずしも必要ではないことを意味しています。むしろ必要なものは、新しく深い経験であり、彼女が自分の中で統合することができるものです。結果として、それは彼女の新しい一部となりました。「知ること」や「強くなること」や「信頼すること」を身につけることで、「強くあれ。頼れるのは自分だけ」と、いつも感じなくても良くなるでしょう。

もちろん、そのことは「弱くなる」という力も育んでくれ、人間関係においてポジティブな循環を造ってくれます。そして、いままでと同じことが起きても、違う結果を迎えることでしょう。

ゲシュタルト療法のプロセスは、経験の背景に注目することを含みます。今回は新しい人間関係を経験するという試みを生み出しました。彼女の反応に直接働きかけることができるよう、私は自分自身を使いました。結果として「我-汝」という繋がりが確立されました。

癒しの人間関係に注目することで、人間関係の土台を造り、彼女の残りの人生に変化をもたらしました。

2013年11月13日水曜日

ケース#7 - 贈る人とビー玉


チャンチャンは50代の優しい女性です。事実、彼女は周りの人々の世話をよくしていました。しかし、結婚生活については幸せではないと明かしてくれました。充実感を覚えることができず、寂しいと感じていました。

チャンチャンには友達がいて、社会的な接点が多く、周囲からの評判も良いのですが、それでも幸せではなく寂しいと感じていました。

私はすぐに彼女と会話を始めました。そして、こう彼女に伝えました。私はあなたと会っていて心地良いです。あなたは人を許すことができる人という印象があります。あなたと会っていると、私は自分らしくいることができます。あなたは私を受け入れてくれるでしょう。彼女は同意して、それが彼女の人との接し方だと教えてくれました。

私は彼女に、安心した気持ちになることができたことを伝えました。彼女は頷き、そのことは彼女にとって大切なことだと教えてくれました。信用して、気持ちを傾けて、温かさを受け入れるという気分。私は、彼女を一方的に利用しているような気分になったことを伝えました。セラピストとして権威を示したり、プロであることが、私には難しくなっていました。なぜなら、彼女の寛容さの前では、自分自身が必要としていることを出したいという気持ちになっていたからです。

彼女は私が言ったことが分かったようで、あまり多くの言葉を使わず頷いてくれました。

私は、少しだけ言い表しようのない心地悪さを感じたことも付け加えました。彼女はいつも人に与えたいと願い、与えるものをたくさん持っていました。しかし、彼女が受け取ることはあるのだろうか?私から何かを受け取ることができるのだろうか?

この問いかけに、彼女は目に涙を浮かべました。それは、彼女にとって難しいことだったのです。

この答えに私は胸を打たれました。私たちは静けさの中で、しばらく感情で繋がり合いました。

それでもなお、チャンチャンは私から何も受け取れないままです。彼女は何かを与えなければいられないようです。これではバランスが取れていません。

そこで、ゲシュタルト療法の実験をしてみることにしました。私は、部屋の中に美しいガラスのビー玉を見つけたので、手にとってみました。そして、彼女に伝えました。これからビー玉を一つずつ差し上げます。それをまるでプレゼントを受け取るように貰ってください。

彼女はそれに同意し、さっそくやってみることにしました。私は彼女を見ながら、ちゃんと私からビー玉を受け取っているかを確認しながら、ゆっくりとワークをしました。彼女は弱さを見せながら震えていて、泣きながらビー玉を受け取っていきました。

何かを他の人から貰うということは、覚えている限り初めての経験だったとチェンチェンは言いました。彼女はいつも与える側の人で、人から注目してもらえる手段だったのです。与え続けることは、いつかは空っぽになってしまうことを意味しています。なぜなら、与え続けることは一方通行だからです。結果として人間関係もおかしくなってしまいます。ゆえに、友達がたくさんいて周囲からの評判が良かったとしても、孤独感を招いてしまいます。

このワークでは、私自身も経験するということを対話に取り入れてみました。彼女の残りの人生をどうするかを話すというよりも、私たち二人が「いま」を経験するということです。私も彼女同様に自分自身をワークに注ぎ込んだので、彼女の新しい経験が可能となりました。普通なら自動的に無意識のように行われる交流を、私は意識的に行いました。(決めつけることはせずに)私自身も経験することにより、彼女は受け入れることができるようになり、いままでとは違う何かに目を向けることができたのです。

2013年11月9日土曜日

ケース#6 - 規律と自由

トレバーはインド生まれの33歳。母子家庭で、お父さんの顔を見ずに育ちました。彼が通っていたのはオルタナティブスクールで、指導はあまりなく、生徒にとって多くの自由がある学校でした。

彼がオーストラリアに来たのは20代前半で、パーティで遊び、遊んだ以上に仕事に打ち込みました。

トレバーが成長期の頃、彼のお母さんはいつも働いていて、同じ家に住んでいたのにも関わらず、あまり会うことができませんでした。

彼のお母さんは5年前にオーストラリアに移住してきました。そして、家を購入してトレバーと一緒に暮らしています。失われた時間を取り戻すかのように、二人は一緒の時間を過ごすようになりました。

トレバーは頭がよくハンサムで自信に満ちていましたが、女性と付き合うことができませんでした。付き合うことができても、長期に渡る関係に発展させることができませんでした。

彼の悩みを解決するには、多くの問題と取り組まなければなりませんでした。その中でも大きなものは「サポートに対する自由」でした。

トレバーが育った環境は、学校でも家でも自由がありましたが、組織やサポートといったものはあまりありませんでした。

私は「サポートに対する自由」というもの、そのものをセッションで扱いました。私が彼の学校の先生を演じてみることを提案しました。まずは、多くの自由を与える先生役をしてみました。そして、トレバーがどう感じるかをチェックしました。それは彼にとって馴染みのある感覚です。そこには自由の喜びがある反面、何かを失っている感覚がありました。

次に、私は彼が経験したことのないような先生役をしてみました。それは、明確な規則を与えてなおかつ励ます先生役です。

トレバーは目に涙を浮かべていました。そして、彼の根底にあった不安感が少なくなりました。それと同時に、あまり馴染みのない、ある反抗心を感じました。

次に、私たちは役割を交代しました。私がトレバーの役を演じ、彼は明確な規則を与えてサポートする先生役をしてみることにしてみました。これは彼にとって嬉しい経験となり、純粋な気持ちになりました。

さて、このことを通していくつかの深いテーマが浮かび上がってきました。規則、サポート、励まし、不安感そして反抗心。私は彼に、これらのテーマを身体のどこで感じるか特定してみるよう伝えました。そして、それぞれを絵に描いてみるように促しました。

すべてのテーマを絵にするのは宿題にしました。

次の週、トレバーは大きな気づきと共に戻ってきました。組織では働くことを強いられること、パーティすることの自由、人間関係の改善に必要な行動を理解したいという気持ち。トレバーの過去において、これらを共存させてまとめ上げることができていなかったと言うのです。

それぞれの行動や事柄で意識が増すにつれ、バラバラだった彼の側面が一つに統合し始めることができました。

この一連のプロセスでは、ゲシュタルト療法の手法をいくつか試しています。自己の側面を統合すること、過去の経験を現在の経験として扱うこと、意識することを高める経験をすること。創造的なプロセスを踏むことで、意識することをさらに高めることが可能となります。また、安全な場所でセラピーを行うことで、これらの対話が生まれてきたのです。

2013年11月8日金曜日

ケース#5 - 怒れる発疹

リアンは、顔にできた発疹が無くならないという悩みを持って相談に来ました。

私は、彼女の生活、ストレスの度合い、健康、食生活、運動そして家族といった彼女の背景について尋ねてみました。

彼女は20代前半で、瞑想を行っています。ほかにも様々な健康法を試しましたが、発疹が消えることはありませんでした。

彼女は静かな性格の持ち主です。発疹があること以外では、彼女の存在に気づかない人が多いとリアンは言います。

そこで、私はリアンに発疹という存在になったことを想像してもらい、自分を表現してもらいました。

私は赤い
私は隠れることができない
私は傷つきやすい
私は消えてなんてあげない
私は人を押しのけたい
私は醜い
私は燃え上がっている

私は、彼女が発疹の役になって自分を表現した時、身体の中でどう感じたかを尋ねました。彼女からは、傷つきやすい、熱い、居心地が悪いといった感覚があったという言葉が聞こえてきました。

次に、私は発疹が口にした言葉を振り返ってみることにしました。例えば「赤い色について教えて」という問いかけをすると、赤い色が彼女の人生に隠されていることの意味を探り始めました。リアンは、赤い色が多く使われている中国の正月で起こった悲しい記憶を教えてくれました。リアンのお父さんはその時、家に帰って来ませんでした。

発疹が口にした他の言葉も、ストーリーを生み出してくれました。リアンが隠れていることについて話していると、お母さんから叩かれてどうしても隠れたかったことを語ってくれました。

私は、人を押しのけたいことについて聞いてみました。リアンは初めのうち何も説明できませんでした。なぜなら、彼女は優しい性格の持ち主で、いつも他の人に何かをしてあげることを望んでいるからです。私たちは、もう少し掘り下げてみることにしました。すると、こんなことがはっきりと見えてきました。彼女は人間関係において、いつも何かをしてあげることに慣れていて、それは人を近づけないようにするためにしていたのです。つまり、人から何かをしてもらうということは、人から近づかれることを意味しています。

ワークにおいて大きな勢いをもたらしたのは「人を押しのける」ということについてです。私はリアンに、私に向かって「あなたを押しのけたい」と言うように促しました。恥ずかしくて言い難かったこの一言は、大きな力を生みました。私はさらに、私の手を押して「押しのける」ことを身体で感じることを勧めました。リアンは最初、試すようにやっていましたが、だんだんと強くできるようになってきました。そして、すべてのエネルギーを手に込めることができました。

最後に、私は彼女に感じてもらいました。怒りというものを。リアンは怒りを身体で感じることをしてみました。

私は彼女に二回しか会っていませんが、後に彼女は、ほとんどの発疹が消えたと教えてくれました。そして、人生や人間関係において、以前よりも主張することができるようになったとも伝えてくれました。

2013年11月6日水曜日

ケース#4 - ワイルドなセックスと禁欲主義

トレーシーは結婚して12年になり、子どもがいる女性です。彼女は決して結婚に不満があるわけではありませんでした。夫との関係も極めて良好です。しかし、二人は滅多にセックスをしませんでした。

二人の関係が始まった頃、トレーシーは海外に1年間住んでいました。この間、彼女は浮気をしていて、それはとても情熱的な性的関係でした。トレーシーはその関係から抜け出し、祖国に戻って結婚しました。しかし、異国での出来事を乗り越えるには時間がかかり、自分の中の感情が統合されるまでに未だ至っていません。

これは、ゲシュタルト療法における「未完了の経験」と「双極性(相反するもの)」の典型的な例ですね。

トレーシーが彼女の問題について話している間、私は「いま何を感じていますか?」という問いかけをしました。これは、ゲシュタルト療法の典型的な質問です。

彼女はたくさんの複雑な感情を持っていました。身体の感覚に目を向けて、時間をかけて「悲しみ」や「激しい感覚」そして「性質上、実を結ぶことのない経験」に向き合ってみました。過去の出来事に戻る必要は、必ずしもありません。なぜなら、過去は現在であるからです。過去に起こった未完了の経験はいまここにあって、ワークを行うことができるのです。

ワークでは双極性についても扱いました。トレーシーの中では、ワイルドなセックスを求めている部分と幸せな結婚生活を求めている部分があります。トレーシーにとってのセックスは、保守的でリスクがない生活という境界線を飛び越えることだったのです。

そこで、私は彼女に両方の性格を演じてみるよう勧めました。

私はまた、それぞれの性格を演じたときの感情をチェックしてみました。一つの性格を演じている時に、別の性格を非難することもしました。例えば、「あなたは、ワイルド過ぎる」とか「あなたは、つまらな過ぎる」といったように。

いくつかの会話の後に、二つの性格はお互いに歩み寄り、中間の妥協案で合意しました。正しいサポートの下では、このようなことは自然に起こります。そして、魂の融合へと導かれるのです。フリッツ・パールズが言うようにね。

2013年11月4日月曜日

ケース#3 - 怒れるクライアント、ジョーン

ジョーンは50代半ばの裕福な女性です。二人の成人した娘がいて、過去に2回結婚していて、離婚しています。悠々自適にたくさんの旅行をしてきました。

ジョーンは幸せではありませんでした。仕事ではまったく自信がなく、長年に渡り勉強してきました。彼女はいつも人々に誤解されたり、友人に助けてもらっていないと感じています。さらに、いつも人にものをあげているのに、みんな彼女に興味を示さないと感じて憤慨し、どうしたら良いのか分からなくなってしまいました。

彼女とのセラピーは簡単ではありませんでした。彼女は解決策を求めているのに、提案と呼べるものはすべて拒絶しました。そもそも、彼女は共感と理解を求めていたのです。また、色々な意味で同情を求めていました。

何度かセラピーをしていると、私は「いかに彼女の身の回りに悪いことがおきているか」に同意し続けることを不快に感じるようになっていました。彼女は「彼女の役割」について聞く耳を持たず、私が「解決には行動が必要です」と提案すると、自己防衛に走り、サポートされていないと感じ、私に怒りをぶつけました。

セッションでは毎回、彼女の身の回りに起きていることがいかに悪いかとか、人々に悪く扱われてきたかを伝えてきました。私は以前と同じように、つらくて非生産的な身の上話を聞いて肯定し続けるのが苦痛になってきました。

だからと言って、私が話を遮ったりすると、彼女はイラついて私の批判を始めます。

難しいセラピーだ!

私はジョーンに伝えました。「あなたの日常に起きていることは、私たちの関係にも映し出されているね」と。彼女が話を聞いてもらえなかったり、サポートされていないと感じているのは、私との間でも時々起きていることでした。そして、私のジョーンに対する反応は、おそらく他の人が彼女にしているものと同類のものなのではないでしょうか。

こういったことに彼女が興味を持ち始めて、気持ちが開いていくこともありました。しかし、彼女は以前に何度も話したストーリーを喋り始めてしまいます。

私は一度、彼女の話を聴くことに時間を使うよりも、やってみたいワークがあると持ちかけたことがあります。すると彼女は気を悪くして、その後とても腹を立てました。彼女はセラピーを終わらせたいと言い出しました。

これでは、彼女との人間関係は「破れた布」のようなものです。セラピストの責任としては、彼女を肯定するというワークをして、この壊れた関係を修復しなければなりません。

そこで、私は彼女の話を中断したことを認め、このことがいかに彼女を混乱させ、怒りの感情を逆撫でしたかを伝えました。さらに、私がセラピーを前進させたいが為にイライラしていたことや、彼女のお決まりのストーリーから抜け出せずにセラピーが進まないと感じたことを認めました。また、セラピーに存在感を与えたり活性化させようとしてやったことは、彼女には効果がなかったことを認めました。

私の言葉でジョーンは落ち着きを取り戻しました。たぶんこれはジョーンにとって、人間関係で心が離れた時に、誰かが彼女のことを認めた初めての経験だったのでしょう。ある意味、経験から癒しの効果がもたらされ、結果として彼女の中のどこかを強くしてくれました。

さてさて、彼女のセラピーはこれからも、まだまだ続きます

2013年11月3日日曜日

ケース#2 - 自分の限界を知る

ある若い男性が、ガールフレンドとの関係で問題を抱えていました。彼は彼女との関係を続けることを強く望んでいました。一方、彼女は、彼を愛しているとは言ったものの、彼に対する興味を失いかけていて距離を置きたいようです。

彼は二人の関係において、彼自身があまり力を及ぼすことができず苛立っていました。それはテニスに例えれば、ボールが彼女側のコートにあるような感じです。彼女は「何をしたいのか」が明確ではなく、何も決められない様子です。彼は「彼女に対して望んでいること」が叶いそうにないので、どうしたら良いか分からなくなっていました。

そこで、彼が二人の関係において「何者」であるかということを探してみることにしました。ゲシュタルト療法では、解決法を見つけることは重要視せず、クライアントがさらに自分自身に気がつくということにフォーカスします。鍵となるのは様々な状況下での「あなたは何者か?」という質問です。

二人の関係において、彼にはあまり選択の余地がない状態ですが、まずは、彼自身の「境界線」を見つけることにします。自分自身を知るということは、境界線をはっきりさせることが大きく関係するからです。

私は彼に、次のような質問を投げかけてみました。

彼女との繋がりにおいて最低限十分な関わり方は、どのくらいですか?
我慢できなくなって別の女性に移るまで、どのくらい待てますか?
彼女との関係で期待する繋がりは、どのくらいですか?
長期の関係で望むものは何ですか?
現在の薄い関係が続く中で、どのように自分自身に限界とルールを設定して、また彼女にも限界とルールを設定してもらいますか?

限界を特定することで、彼は自分が二人の関係において「かまってちゃん」であることが分かりました。

ゲシュタルト療法では境界線を知ることで、本当は何がしたいかという「本心」を探り当てることができます。歪んでしまった境界線を理解するには、いくつかの方法があります。本当の境界線を見つけることで、クライアントさんがどのようにしてバランスを崩してしまったかを理解することができます。そして、クライアントさんが恋愛関係で自分らしさを出せるように、気づきをもたらすことができるのです。

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