2014年1月22日水曜日
ケース#23 - お父さんはアルコール中毒
メアリーは父親との関係で問題を抱えていました。
はじめに、私は彼女との繋がりを持つため、少し時間をかけて話をしました。私は、彼女が熱心で、オープンで、温かな印象があることに気がついていることを伝えました。
今度は、彼女が私の何に気がついているかを尋ねました。彼女はリラックスしていて、私が友好的だと思っています。
私は彼女に「私と彼女の父親」とを比べて、違うところと似ているところを尋ねました。
違うところは、彼女の父親は彼女が使うお金の額について批判すること、お酒を一度に大量に飲むこと、そしてそのことを心配して彼に伝えたこと。
似ているところは、彼女の父親は彼女をサポートしていて励ましていること。
それに加えて、彼女はこんなことを教えてくれました。彼女の母親は彼女を信頼していること。彼女に父親の愚痴をこぼすこと。そして、彼に腹を立てていること。
私は彼女に、身体の中にある感情を見つけるよう言いました。胸の中が詰まっている感覚、背中と首が緊張している感覚、お腹がきつい感覚があると彼女は言いました。
そこで、私は彼女の父親役を演じ、彼女が何を言うか見てみることにしました。
彼女の父親役として、私はこのように言いました。
私はあなたに一歩下がっていて欲しい。私は自分で選んだ人生を歩んでいる。あなたは自分の人生を手に入れる必要がある。
あなたの母親と私は、自分たちのやり方で歩んでいることを理解して欲しい。どうか私たちの関係を気にしないでください。
もしあなたの母親が、私のことであなたに愚痴を言うならば、一歩下がって、あなたの母親にその話は聴きたくないと言って欲しい。
私はひとつ言い終わるごとに、彼女がどう感じるかを尋ねました。彼女は解放されたと答えました。
最後に、私は彼女に、安心で解放されている感情に向かって、深く呼吸するように言いました。
彼女は父親との関係で悩んでいる別の問題を持ち出したいようでしたが、私はここで終わりにして、安心感をしばららく味わうように言いました。
このプロセスで、私は彼女の問題が父親との間で起きていることを知っていたので、二人の関係を直接扱いました。そして私は、このような立場でワークを進めました。そうすることで、彼女の問題が何であるかを容易に見ることができ、同時に体験することができました。
私が彼女の父親と違うところや似ているところを扱うことは、私と彼女の関係性を見ることができるだけではなく、私と彼女の父親を違う人間として認識することを意味しています。さらには、相互関係を築くという役割も果たしています。
明らかなことは、家族システムがメアリーを親の役割につかせていました。これは不健全です。
ですので、私が父親役をした時に、私がそれに関するメッセージを彼女に伝えると、彼女に衝撃が走りました。このケースで使われたメッセージは、ファミリーコンステレーションで使われるものに似ています。
アルコール中毒の問題があるのは明らかです。しかし、そこにあるすべての問題を一度に扱うことはできません。もっともはっきりしていることは、彼女が父親の面倒を見続けることを止めなければならないことです。彼女にとって必要なのは自分の人生に責任を持つことであり、それを認識することが、彼女自身が必要なものに注目することにつながります。
彼女が感じた安心感は、私たちが正しい方向に向かっていることを指しています。最初に確認した身体の感覚は、ワークを行う上での基準となり、変化を見るということに役立てられています。
2014年1月19日日曜日
ケース#22 - 家の外には狼がいる
マットは起業家として成功しています。彼は大人になってから、自分探しのためにセミナーに参加したり、自己啓発の本を読んだり、自分に確固たる勢いをつける努力をしたりして、多くの時間を費やしてきました。
最近離婚した彼は新しい相手と出会い、人生の新たな展開を経験しています。彼の前妻はとても批判的で、特に彼の金銭面や仕事ぶりに不満を持っていました。彼は社会を大切にしたビジネスを手がけた成功者でありますが、裕福ではありません。彼女は金銭面での成功を収めていないマットを、いつも攻撃していました。
彼は職場でパニックを起こした後、私に会いに来ました。彼はその日、無力感でいっぱいでした。
きっかけは、その日の朝に交わした前妻との会話でした。彼女は彼に、朝の予定を諦めて息子を迎えに行くように要求してきました。理由は、彼女の車を修理に出さなければならないからです。いつものように、彼女は彼に対して手厳しく、文句を言い、批判的でした。
最近は他にも、いくつかのことが起きました。彼は期待していた大きな契約を逃してしまい、持っている大きな口座の支払いが滞っていました。もちろん、彼は本を書いたり、キャリアアップをしたりと努力をしていますが、どれもすぐに収入に繋がるものではありませんでした。そして、以前行っていたベンチャービジネスのパートナーが彼を訴えている。気がつけば、銀行の口座には100ドルしか残っていませんでした。
私は彼に、話をしてみてどう感じるかを尋ねました。すると彼は、それぞれの事柄において過去に何が起きていたか、いくつもの歴史を事細かく話し始めました。私は彼の話を遮りました。そして彼に、身体が何を経験しているかを話すように促しました。
以前パニックになった時、彼の身体は拘束服のようだったと言っていました。いまは傷つきやすく、怯えている感覚を胸で感じています。
私は彼に、その感情に集中するように言うと、彼は熱を感じ、幾重にも重なった恐れがあることに気がつきました。彼は、それは外国の侵略者のようだと言います。
そして、彼はそれに対して、彼のお父さんが彼に与えていた「例え」を付け加えました。「家の外には狼がいる」
ふだん、彼が自信に満ちている時は、チャレンジすることに問題はありません。しかし、いまは自信がなく、狼が彼を襲うことができる状態です。
私は彼にこう伝えました。狼は家の外にいるというより、あなたのそばに立っているみたいですね。
そこで、私は彼に、狼が彼の上に覆いかぶさっていることを想像するよう勧めました。彼は「よだれが顔に落ちてくる」と言いました。私は彼に、身動きができないことを感じて狼の速い呼吸を聞き、顔にしたたるよだれを感じるよう言いました。さらに、私は彼に深く呼吸をして、恐怖を身体で感じ、その感覚に留まるよう言いました。私は彼に、身体で大きなエネルギーを感じることができるはずだけど、耐えられない時はいつでも止めることができることを伝えました。
彼がそのようにすると、身体全体がギュッと痙攣(けいれん)しました。しばらくして彼は目を開き、身体の中に大きなエネルギーを感じて驚いたことを教えてくれました。
そして私は、彼に狼になりきってもらい、クライアントであるマット自身の上に覆いかぶさって、よだれを垂らすよう促しました。私は彼に、マットに話しかけ、メッセージを言うように言いました。
しばらくして彼は目を開き、ハッとしたように言いました。「その狼は賢い狼だ!」
彼は自分が羊であったことに気がつき、ゆえに彼は弱く、決断力がなく、傷つけられやすく、自信は損なわれていました。その狼はもう一人の彼であり、個人においても仕事においてもパワーに満ち溢れ、直面した事にチャレンジすることができる性格です。
この一連のプロセスは、身体が経験していることをもとに、それが誰であるか識別しています。「侵略」という言葉に沿ってワークを進めると、その意味は「わかりやすい危険」というものよりも深刻で「目の前に迫った危険に対する恐怖」であることが分かりました。
ゲシュタルト療法では、十分なサポートをしながら危険に対してにあえて踏み込みます。その上で心の反対側に存在する危険な部分に触れ、結果として、分裂してしまった二人の彼に癒しをもたらします。
2014年1月16日木曜日
ケース#21 - ワイルドウーマン
シンシアは最近、三番目の夫と離婚しました。二人は20年間、生活を共にしてきました。彼女は夢のワークを希望しています。
私は彼女が見た夢を、まるでいま起きていることのように詳しく現在形で話すように伝えました。
彼女は言いました。
私はソファで寝ています。彼が来て私にハグとキスをしています。彼は私に、大きな納屋付きの新しい家を安く買ったと言っています。その家には、新しいバス・トイレ付きのベッドルームがあります。
私たちは自宅に向かって歩いていて、そこには男の子がいます。男の子は大きな木材を持っていて、窓からその木材を投げています。夫のジョンがやって来ました。すると、彼の電話が鳴りました。彼はプライバシーがほしいと言ったので、私は彼に新しいガールフレンドができたと思いました。
私はシンシアに、夢の中に登場した人やものになって表現するように伝えました。
最初は家です。彼女は言いました。私は新しくてピカピカで上等です。いままでの古い家よりもずっと良いです。幸せで大きくて広々としています。
次はジョンです。私は幸せです。家が欲しい。それを買えるなんて夢のようだ。私は強くてやりたいことがある。
そして、窓から放り投げられた木材。私は固くて強い。古い家には何の価値もない。大きな音を出して、その家が壊れていることを証明する必要がある。
そして、男の子。夢の中では13歳。私はいたずら好きで強い。
そして、夫の新しいガールフレンド。私は興味津々で好奇心が強い。
シンシアは、夢に登場したものについて彼女の解釈を私に伝えようとしたので、本来のやり方を教える必要がありました。ゲシュタルト療法が求めるものは直接の経験であり、すでに出来上がってしまった判断や関連性は必要としていません。私は彼女に、それぞれの夢のパーツになりきるように導き続けました。そして、考えて出てきた言葉ではなく、何を感じているかを尋ねました。
私は彼女に、どれが一番気になったのか尋ねました。彼女は柄にもなく、遊び心に満ちた男の子だと答えました。
私は彼女の答えに関連して、こんな質問をしてみました。いまの彼女の人生で、柄にもないこととは何ですか?
シンシアは答えました。一晩中起きて、焚き火をして、月明かりの下のビーチでパーティをして、それからビーチで寝ること。
彼女は、そこにジョンを連れて来たいと言いましたが「彼は私の中にあるワイルドウーマンを見たくはないわ。彼は私に対して特定の振る舞いを望んでいるの」と諦めている様子です。
彼女は何年もの間に渡って、彼をロックンロールのダンスに誘いましたが、彼は一緒に行ってくれず、最後には諦めてしまったと説明してくれました。
私は彼女に、我慢せずにダンスのクラスに自分一人で行くよう助言しました。
そして、今度はジョンに対して、柄にもなくワイルドな言葉を言うことを想像するよう言いました。私がジョンの役を演じ、彼女が私に直接その言葉を言います。
二人で仕事を辞めて、ヨットを購入して航海しましょう。風が私たちを運んでくれる場所まで。私は料理をします。そして、二人で詩を書きましょう。
次に、私は彼女に、もっと挑戦的で強い内容のことを彼に言うように勧めました。
彼女は彼にこう言いました。最後の数年は、彼のドラッグ癖にうんざりして無駄な時間を過ごしたこと。彼にもっと他のことをして欲しかったこと。約束はいらない。行動で示してほしい。
彼女は言いたいことがとてもはっきりしていて、しっかりしていました。私は彼女に感想を伝えました。いつもは難しい態度のジョンでも、私が絶対に攻撃しない彼を演じるという環境で、彼女は直接的な言葉を語ってくれました。私は感謝の意を伝えました。
私は彼女に、もっと強く、辛らつに、ワイルドになるよう促しました。
彼女は彼女自身について、もっと言葉を発し、限界が何かを言いました。
私はまた感想を述べました。
彼女は自分の強さを感じました。
ゲシュタルト療法では、目の前に出てきた人物について探るという試みがなされます。夢の中では多くの人物が登場しますが、今回は彼女とは逆の性格で、彼女にとって一番エネルギーを持っている人が選ばれました。
このことは、良くも悪くも彼女をワイルドで強く、そして彼女を前進させるという転機となりました。
私自身も彼女の夫を演じて、感想を述べるという試みを行いました。これは彼女にとって現実味のある経験となり、新しい行動を安心して試すという感覚を創り上げました。
ゲシュタルト療法は、サポートを得ながらいつもとは違う事を試し、意識の中に浮上した重要な問題に焦点を当てます。夢を元にワークすることは、それらの問題にアクセスする良い手段と言えます。
私は彼女が見た夢を、まるでいま起きていることのように詳しく現在形で話すように伝えました。
彼女は言いました。
私はソファで寝ています。彼が来て私にハグとキスをしています。彼は私に、大きな納屋付きの新しい家を安く買ったと言っています。その家には、新しいバス・トイレ付きのベッドルームがあります。
私たちは自宅に向かって歩いていて、そこには男の子がいます。男の子は大きな木材を持っていて、窓からその木材を投げています。夫のジョンがやって来ました。すると、彼の電話が鳴りました。彼はプライバシーがほしいと言ったので、私は彼に新しいガールフレンドができたと思いました。
私はシンシアに、夢の中に登場した人やものになって表現するように伝えました。
最初は家です。彼女は言いました。私は新しくてピカピカで上等です。いままでの古い家よりもずっと良いです。幸せで大きくて広々としています。
次はジョンです。私は幸せです。家が欲しい。それを買えるなんて夢のようだ。私は強くてやりたいことがある。
そして、窓から放り投げられた木材。私は固くて強い。古い家には何の価値もない。大きな音を出して、その家が壊れていることを証明する必要がある。
そして、男の子。夢の中では13歳。私はいたずら好きで強い。
そして、夫の新しいガールフレンド。私は興味津々で好奇心が強い。
シンシアは、夢に登場したものについて彼女の解釈を私に伝えようとしたので、本来のやり方を教える必要がありました。ゲシュタルト療法が求めるものは直接の経験であり、すでに出来上がってしまった判断や関連性は必要としていません。私は彼女に、それぞれの夢のパーツになりきるように導き続けました。そして、考えて出てきた言葉ではなく、何を感じているかを尋ねました。
私は彼女に、どれが一番気になったのか尋ねました。彼女は柄にもなく、遊び心に満ちた男の子だと答えました。
私は彼女の答えに関連して、こんな質問をしてみました。いまの彼女の人生で、柄にもないこととは何ですか?
シンシアは答えました。一晩中起きて、焚き火をして、月明かりの下のビーチでパーティをして、それからビーチで寝ること。
彼女は、そこにジョンを連れて来たいと言いましたが「彼は私の中にあるワイルドウーマンを見たくはないわ。彼は私に対して特定の振る舞いを望んでいるの」と諦めている様子です。
彼女は何年もの間に渡って、彼をロックンロールのダンスに誘いましたが、彼は一緒に行ってくれず、最後には諦めてしまったと説明してくれました。
私は彼女に、我慢せずにダンスのクラスに自分一人で行くよう助言しました。
そして、今度はジョンに対して、柄にもなくワイルドな言葉を言うことを想像するよう言いました。私がジョンの役を演じ、彼女が私に直接その言葉を言います。
二人で仕事を辞めて、ヨットを購入して航海しましょう。風が私たちを運んでくれる場所まで。私は料理をします。そして、二人で詩を書きましょう。
次に、私は彼女に、もっと挑戦的で強い内容のことを彼に言うように勧めました。
彼女は彼にこう言いました。最後の数年は、彼のドラッグ癖にうんざりして無駄な時間を過ごしたこと。彼にもっと他のことをして欲しかったこと。約束はいらない。行動で示してほしい。
彼女は言いたいことがとてもはっきりしていて、しっかりしていました。私は彼女に感想を伝えました。いつもは難しい態度のジョンでも、私が絶対に攻撃しない彼を演じるという環境で、彼女は直接的な言葉を語ってくれました。私は感謝の意を伝えました。
私は彼女に、もっと強く、辛らつに、ワイルドになるよう促しました。
彼女は彼女自身について、もっと言葉を発し、限界が何かを言いました。
私はまた感想を述べました。
彼女は自分の強さを感じました。
ゲシュタルト療法では、目の前に出てきた人物について探るという試みがなされます。夢の中では多くの人物が登場しますが、今回は彼女とは逆の性格で、彼女にとって一番エネルギーを持っている人が選ばれました。
このことは、良くも悪くも彼女をワイルドで強く、そして彼女を前進させるという転機となりました。
私自身も彼女の夫を演じて、感想を述べるという試みを行いました。これは彼女にとって現実味のある経験となり、新しい行動を安心して試すという感覚を創り上げました。
ゲシュタルト療法は、サポートを得ながらいつもとは違う事を試し、意識の中に浮上した重要な問題に焦点を当てます。夢を元にワークすることは、それらの問題にアクセスする良い手段と言えます。
2014年1月1日水曜日
ケース#20 - 凍った蓋
ジェーンはワークショップのグループでシェアをしていて、感情を刺激されていました。彼女は震えながら私の元にやって来ました。彼女はその話題について話したくないと言っています。もちろん、それで構いません。それは、エネルギーを使ったワークでした。私は彼女に、何を経験したか尋ねました。彼女は凍りついたことを話しました。私は彼女が感じたものを、何かに例えて表現してもらいました。彼女は凍りついた蓋だと言います。私は彼女に、身体のどこでそれを感じるか尋ねたところ、お腹の下のあたりと答えました。
私は彼女に、その蓋になって話してみるよう勧めました。「私は凍りついた蓋です」彼女は、蓋である彼女が塞いでいる「縁(ふち)」について話し始めました。
そこで私は、彼女に縁になってもらい話してみるよう勧めました。「私は縁です」すると彼女は、縁が意味するものを話し始めました。
私は彼女に、片手を凍った蓋があった場所に置いてもらい、もう片方の手を縁があった場所(身体の横)に置いてもらいました。それらの場所に向かって呼吸をします。こうすることにより、彼女の感情は深められました。彼女の脚が震え始めたので、それをしばらく続けるよう勧めました。
彼女は深い悲しみを感じて泣いていました。しかし、何も表現することができません。
私は彼女に、両方のつま先をくねくね動かしてみるように言いました。彼女はなかなかそうすることができません。片方の足でそうするのが精一杯です。しばらくそうした後、私は彼女をサポートして、彼女はもう片方の足でそうすることができました。
すると彼女は、何度もげっぷをし始めました。これは彼女にとって、慣れ親しんだ感覚だと言います。
身体に起こる現象としての「げっぷ」は、最高の開放を意味しています。それは、表現することへの前兆とも言えます。
案の定、彼女はエネルギーが上がっていく感覚を持ち始めましたが、言葉になるには至っていません。彼女にもっと開放するように促すと、彼女は徐々に自分の感情について言葉を出し始めました。私は彼女に、彼女を傷つけた本人がここに居ることをイメージするように伝えました。そして、いま浮かんだ感情を言葉にして直接その人に向かって言うように勧めました。
これが、彼女が長年の間、静かに持ち続けていた痛みの最後となりました。
彼女の感情を、蓋や縁といった例えを使って尋ねることにより、彼女の本心と直接対話することができました。彼女は最初、感情の表現をぼかしていたり、避けていました。もちろん、誰も心の痛みを進んで感じたい人はいません。このワークでは、彼女が蓋や縁を自分自身の中に持っていることについて聴くことにより、彼女に気づきを与えることになりました。
持ち上がったエネルギーと身体の感覚をサポートすることにより、思考のプロセスを完全に無くし、自然な展開が起きました。身体に起きていることに注目すれば、これは訪れます。なぜならば、身体はいつも癒しを求めているからです。
私は彼女に、その蓋になって話してみるよう勧めました。「私は凍りついた蓋です」彼女は、蓋である彼女が塞いでいる「縁(ふち)」について話し始めました。
そこで私は、彼女に縁になってもらい話してみるよう勧めました。「私は縁です」すると彼女は、縁が意味するものを話し始めました。
私は彼女に、片手を凍った蓋があった場所に置いてもらい、もう片方の手を縁があった場所(身体の横)に置いてもらいました。それらの場所に向かって呼吸をします。こうすることにより、彼女の感情は深められました。彼女の脚が震え始めたので、それをしばらく続けるよう勧めました。
彼女は深い悲しみを感じて泣いていました。しかし、何も表現することができません。
私は彼女に、両方のつま先をくねくね動かしてみるように言いました。彼女はなかなかそうすることができません。片方の足でそうするのが精一杯です。しばらくそうした後、私は彼女をサポートして、彼女はもう片方の足でそうすることができました。
すると彼女は、何度もげっぷをし始めました。これは彼女にとって、慣れ親しんだ感覚だと言います。
身体に起こる現象としての「げっぷ」は、最高の開放を意味しています。それは、表現することへの前兆とも言えます。
案の定、彼女はエネルギーが上がっていく感覚を持ち始めましたが、言葉になるには至っていません。彼女にもっと開放するように促すと、彼女は徐々に自分の感情について言葉を出し始めました。私は彼女に、彼女を傷つけた本人がここに居ることをイメージするように伝えました。そして、いま浮かんだ感情を言葉にして直接その人に向かって言うように勧めました。
これが、彼女が長年の間、静かに持ち続けていた痛みの最後となりました。
彼女の感情を、蓋や縁といった例えを使って尋ねることにより、彼女の本心と直接対話することができました。彼女は最初、感情の表現をぼかしていたり、避けていました。もちろん、誰も心の痛みを進んで感じたい人はいません。このワークでは、彼女が蓋や縁を自分自身の中に持っていることについて聴くことにより、彼女に気づきを与えることになりました。
持ち上がったエネルギーと身体の感覚をサポートすることにより、思考のプロセスを完全に無くし、自然な展開が起きました。身体に起きていることに注目すれば、これは訪れます。なぜならば、身体はいつも癒しを求めているからです。
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