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2014年6月30日月曜日

Case #28 - 喋るパンツ

ナンシーはあらゆる問題を抱えています。彼女は、偽りなく生きていることと実際の行動に、ギャップがあると感じています。彼女には最初の結婚で生まれた子どもがいます。二人の関係は浅く、一緒に暮らすこともあまりありませんでした。

彼女は二回目の結婚について話しました。夫は子どもを欲しがっていましたが、彼女は子どもを欲しがらず何度か中絶しました。彼女はその二人目の夫と一緒にいて幸せでしたが、ワークショップには彼から隠れるように参加することがありました。彼女は肉体的に強くなく、それを変えたいと言います。

私は、問題がいろいろあるけれど、どれも深いものではなく、注視できるものではないと指摘しました。事実、彼女が言うには、他のセラピストも問題の核心を掴むことができずにいたようです。

私は彼女に、私から何を望んでいるか尋ねました。彼女は「助けて欲しい」と言いました。私は、喜んで助けようとして上手くいっていない自分と、彼女に力を与えようとして上手くいっていない自分がいて、どちらにしても上手くいっていないことを伝えました。

セッションが始まってすぐに私は、彼女が履いているパンツがとてもカラフルで、複雑なデザインであることに気がつきました。話しながら、何度かそのパンツに目がいきました。私は彼女の口に表情があり、歯が独特の形で見え隠れしていることにも気がつきました。私はその二つを彼女に伝えました。彼女は口について気がついておらず、またパンツにもこだわっていませんでした。

会話が進むと、また私は彼女のパンツに目が行きました。私は彼女に、そのパンツがどの問題について扱うかを教えてくれるのではないかと言いました。

私は彼女に、そのパンツのどこが好きなのかを尋ねました。彼女は足首のあたりの小さなところを見せてくれました。そこには三つの色があり、暖色と寒色が使われています。

私は彼女に、それぞれの色になってみて、彼女自身を言い表すよう促しました。彼女は、温かく、晴々として、積極的で成長しているという内容のことを言いました。そして、凍りついて、計算高くて、冷静だと言いました。

私は順番に、どのように感じたかを彼女に伝えました。最後の一つを伝えると、彼女は即座に反応し、その部分はダメだと自分自身を責めました。

彼女には「○○すべき」といったことが、たくさんあるように見えました。私が彼女に、その価値観はどこから来たのか尋ねると、母親だと言いました。

そこで私は、母親に見立てたクッションを置き、彼女の周りには「○○すべき」という象徴のクッションを置き、彼女と母親の二人で話してもらいました。

すると、もう一人の存在が浮かんできました。それは以前の義理の母親で、ある意味では理想的な存在であるものの「○○すべき」でいっぱいの人でした。私は彼女に、その義理の母親のクッションを置いてもらい、会話してもらうことにしました。

私は毎回、凍りついて計算高い部分の彼女を確かめてみました。彼女が話し終わるたびに「○○すべき」という声に従いたいか尋ねると、彼女は嫌だと答えました。

最後に私が、自分自身が計算高いことを伝えると、彼女は私の話を聞き始めました。もしも私が冷酷な仕事モードにいる時なら、地に足が着いた状態で、心地よく彼女のそのような気持ちに寄り添うことができることも伝えました。しかし、もしも私が弱々しかったり、かまってちゃんの状態の時なら、心が痛むことでしょう。

彼女は、萎縮せずに私の話を聞いて、受け入れられている感覚を持つことができました。彼女は「だけど、これは私が変えたいと思っている部分で、人を傷つけるかもしれないものよ」と言いました。私はこう答えました。私がより興味があるのは、その部分があなたの一部であることをあなた自身が認識していて、それを感じていることなのです。だから私は、あなたと一緒にいる時は安心感をもつことができます。

彼女は、それを取り除いたり、別のものにするといったことではなく、シンプルにその存在を受け入れることが必要だと理解しました。

このセッションは、どのようにスタートすればよいか難しいものでした。何かはっきりした形が見え始めると、別の話題に変わってしまいます。それぞれの話題は取り扱うに値するものでしたが、問題の焦点を彼女は変えてしまうのです。私はそれらに焦点を合わせることはしませんでした。なぜならば、そこまでの信頼関係が築けていなかったからです。私は救済者になってみるということも試しましたが、それも長くは続きませんでした。

そこで、明確なテーマを見つけるために「ネコとネズミ」のような追いかけっこをするのではなく、何が本質なのかを探ってみました。私は彼女のパンツからそれを見出しました。彼女が本質に触れるのを避けていたにも関わらず、彼女がこだわっていなかったパンツからそれは浮かび上がってきました。彼女はすぐに、彼女自身の大切な三つの事柄を言うことができました。

私がそのパンツについて詳しく聞くことで、私にとってどのような意味を持つのかということを言っています。

彼女にとって抵抗感があったのは三つ目に出てきた「○○すべき」ということについてであり、ワークではそれを扱いました。

その上で、彼女は私との関係に向き合うことができましたし、彼女自身とも向き合うことができました。

ゲシュタルト療法のプロセスでは、これを「統合」と呼んでいます。


The talking pants
Nancy covered the gammut of issues. She felt there was a gap between being authentic, and her behaviour. She had a child from a first marriage; there had been very little real substance in the relationship,  rarely living together.
She talked about her second marriage, having several abortions, then her husband wanted another child, but she didnt really. She talked about being very happy with her second husband, but sometimes hiding her attendance at workshops from him. She talked about not being physically strong, and wanting to change this.
I pointed out that one issue led to the next, and none seemed to stick, to deepen, to be amenable to focusing. In fact, she said other therapists had problems with pinning her down.
I asked what she wanted from me: 'to be rescued' she replied. I explained that there was a part of me that would be delighted to try to rescue her, but that so far didnt seem to be working very well; and another part of me that wanted to empower her, but that didnt seem to be working either.
At the start of the session I had noticed her pants - a very colourful and complex design. Several times I returned to noticing them. I also noticed her mouth - she had many expressions, and often bit her lip, or showed her teeth in a particular way.
I remarked on both. She had no awareness of her mouth, and was uninterested in her pants.
After more discussion, I returned to her pants, and suggested we find out if they could help us determine what issue to work with.
I asked her what aspect of them she really liked. She showed a small area around the ankle, and pointed to three different colours, describing them as warm tones and cold tones.
So I asked her to 'be' each colour, and describe herself. She spoke of a warm, sunny, enthusiastic and glowing self. Then a cool, reflective self, who liked to be alone. Then a freezing, calculating, rational self.
I told her my responses to each in turn. When it came to the last one, she reacted immediately, preemptively stating that this part was not ok, and she blamed herself.
It emerged that she had many shoulds, making that part wrong. I asked where they came from - her mother. So we set up a pillow for her mother, and she spoke to her mother, stating her connection, but also her boundaries around the list of shoulds.
Then there was her previous mother in law, who had been 'ideal' in some ways, but even more full of shoulds. I asked her to place this mother in law on the pillow, and again, she stated her connection, but also her limits.
I returned each time to the freezing/calculating part of herself, attempting to validate it. Every time she started putting it down, I would ask whether she wanted to let the should's rule her, and she replied 'no'.
Finally, she was able to listen to me, as I told her about my own calculating self. I told her if I was in work/business mode, or feeling very grounded, I could comfortably be with that part of her. Or if I was in my own freezing/calculating mode, I woudl also be ok with it. But if I was feeling vulnerable or needy, I could get hurt by it.
She was able to hear me without contracting, and to take in my acknowledgement. She said 'but this is a part I want to change, as it could hurt people'. I replied 'I am more interested in your acknowledging that this is actually a part of you, and when you are in that place - thats what makes me feel safe with you'.
She understood that it was not a matter of getting rid of that part, or even reforming it, but simply acknowledging its existence.
In this session, it was hard to get a start. Everytime she started with a clear figure, it shifted. This in itself was worthy of attention - her shifting focus. I chose not to focus on that, as there wasnt enough ground between us. I played a bit with the 'rescuer' possiblity, but decided not to continue down that route, as again, it didnt take hold.
So rather than continue playing 'cat and mouse' with finding a clear theme, I returned to what was figural for me - the pants. The fact she had no significance on them meant we could find something in them that emerged, despite her resistance to coming up with figures. Straight away she clearly named three important parts of herself.
I then explored them in relationship - my response to each.
Her resistance to the third part surfaced, and that clearly pointed to the work to be done: deal with the shoulds, and their source.
After doing this, she was able to bring that part of her into relationship with me, and with herself.
The result was the outcome we are after in a Gestalt process: integration.

2014年6月24日火曜日

Family Constellation workshop July


My only Tokyo Family Constellation workshop this year will be held on the 25th and 26th July.
Please contact
Kingo Matsuda
+81 90 3965 4778
matsuda@therapy.jp

2014年6月20日金曜日

Case #29 - 怒った少女を育てる

キャシーは「父親への恨み」という問題を扱いたいと言いました。私が彼女にどのような恨みがあるのかと尋ねると、彼女が4歳の時に両親が離婚したことだと答えました。

私は、彼女がどのような生き方をしてきたのかを見てみることにしました。彼女はこの20年間、父親とは10回しか会っていません。彼女は父親のことをあまり知らないのです。

彼女は母親が被害者だと信じています。なぜならば、彼女の父親は浮気をしていて、その後、再婚したからです。

彼女は大人になってから、父親と連絡を取り合うことにとても消極的でした。私は理由を尋ねました。すると彼女は、父親の二度目の結婚で生まれた女の子と会ったとき、父親がその子に与えている愛情を見て、激しく嫉妬したことを話してくれました。

私は彼女に、両親の離婚についてワークはしないと伝えました。それは、彼女が持っている恨みが彼女自身を中心としていないからです。代わりに私は、大人としての彼女がいまここで扱いたいことを見つけ、それについてワークすることだけはできると言いました。

彼女は私を恨みました。しかし、私の境界線ははっきりしていました。

私は彼女に私自身の離婚経験を話し、長女が大きくなってから交わした会話について伝えました。長女は間違った情報で悩んでいました。

私は彼女に、無力で被害者で弱々しい役割を降りて、父親と対話する方法を見つけることをサポートしたいと言いました。

彼女は母親のストーリーを受け継いでいて、事実は歪められていました。大人としての彼女には、父親との対話を試みてみるという選択もあっただろうし、父親のストーリーを直接聞いてみることもできました。彼女は、まだそれをしていませんでした。私が見てみたいのは、過去に捉われることではなく、未来に進んでいくことなのです。

さらに言うと、彼女は小さな女の子の声をしていて、話がマンネリ化していました。私は彼女に「その話はよく分かったし、父親を失ったような感覚には同情します」と伝えた上で、その話をするのは橋の下に川が流れていないようなもので、セラピーとは関係がないと言いました。そして、失われた時間を修復するには父親との関わりが必要だと言いました。

悲劇と向き合うこと、そこから何かを得ることが必要です。

これは彼女にとって大変なことですが、そうしなければ彼女は失ったものを永遠に求めて、無力な状態に留まり続けることでしょう。

時に大きな同情を与えることは、人々を助けることがあります。しかし、そうでないときは、境界線をはっきりとさせる必要があります。いつも後ろ向きでいるよりも、先を見据えて進んで行くことも必要です。気持ちが小さな女の子である彼女は、父親に向かっていくことを選ぶこともできなければ、それを許容することもできません。

彼女は、小さな女の子の気持ちで父親に合うときは、叩きたくなることを教えてくれました。明らかに彼女は怒っていたので、私はなだめました。しかし、彼女は父親と関わる他の方法が分からないので、いまだにその小さな女の子のように怒っています。

そこで私は、ある実験をしてみることを提案しました。それは、部屋の片隅に彼女が母親の隣にいて、部屋の反対側にいる父親に向かって歩いていくというものです。父親と会話することもできるし、一緒に立つこともできます。

彼女にとってこれは難しいチャレンジであり、とても恐がっていました。私は彼女を勇気づけるために、できる限りのことをしました。そして、チャレンジするかどうかを選んでもらうことにしました。私は何度も「あなたは24歳だよ」と伝えました。私は彼女の背中を押すように、気を落とさずに小さな女の子の声から抜け出し、大人が選ぶように選んでみるように言いました(彼女はいつも背中が痛いと言います)。

時間をかけて、彼女はその提案に賛成しました。彼女は一度に一歩進みましたが、その都度、崩れ落ちないようにするための助けが必要でした。最後に彼女は、父親がいるところに到達しました。私はワークショップの参加者の一人に、父親役としてそこに入ってみるようお願いしました。

彼女は、父親と話すのは不可能だと言います。そこで、私は彼女にいま何を感じているかを尋ねました。そして、その言葉を父親に話すように言いました。さらに、他に感じたことを伝えてもらいました。それを繰り返すことで、より幅広い表現をすることができました。彼女がより多くのことを口にするには、より多くの励ましが必要でした。父親の異母妹への接し方に対する怒りを思い出したとき、彼女は弱くしか呼吸していませんでした。それは息をするときの小さな音でわかりました。

彼女は父親に質問をしたいのだけれど、私は彼女に自分のことだけを話すように導きました。私は彼女がしたかった質問を言い換えて、彼女がなぜ父親に近づきたかったかという文にしてあげました。

ついに、彼女は父親に怒っていたこと、傷ついたこと、そして、会うことができてうれしかったことを伝えることができました。その内容のほとんどは、彼女が動揺したことと恐れについてでした。父親の代役の人の反応は、会うことができてうれしいということでした。彼女はそのことをまったく予想していませんでした。

この一連のプロセスは、彼女にとって難しいことでした。私は常に、実験を彼女にとって容易にする努力をしなければなりませんでした。例えば、このワークはセラピーのグループで行われていること、実際の父親と母親はここには居ないことを伝えました。このことにより、ほんの少し感情のバランスが和らぎました。私はひとつひとつの試みに寄り添い、指導し、サポートし、大人としての彼女がチャレンジすることを促しました。

これは、通常では踏み込むのがとても難しく、多くのサポートが必要なケースで、ゲシュタルト療法の試みにおける「安全な緊急事態」の例です。

許すことで、新しい経験は生まれます。

しかしながら、このような実験には決まった方法はなく、クライアントは新たな「○○すべき」ということを造り出すことから脱出して、気づきと選択することに対して冒険することが求められます。

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