2013年11月13日水曜日
ケース#7 - 贈る人とビー玉
チャンチャンは50代の優しい女性です。事実、彼女は周りの人々の世話をよくしていました。しかし、結婚生活については幸せではないと明かしてくれました。充実感を覚えることができず、寂しいと感じていました。
チャンチャンには友達がいて、社会的な接点が多く、周囲からの評判も良いのですが、それでも幸せではなく寂しいと感じていました。
私はすぐに彼女と会話を始めました。そして、こう彼女に伝えました。私はあなたと会っていて心地良いです。あなたは人を許すことができる人という印象があります。あなたと会っていると、私は自分らしくいることができます。あなたは私を受け入れてくれるでしょう。彼女は同意して、それが彼女の人との接し方だと教えてくれました。
私は彼女に、安心した気持ちになることができたことを伝えました。彼女は頷き、そのことは彼女にとって大切なことだと教えてくれました。信用して、気持ちを傾けて、温かさを受け入れるという気分。私は、彼女を一方的に利用しているような気分になったことを伝えました。セラピストとして権威を示したり、プロであることが、私には難しくなっていました。なぜなら、彼女の寛容さの前では、自分自身が必要としていることを出したいという気持ちになっていたからです。
彼女は私が言ったことが分かったようで、あまり多くの言葉を使わず頷いてくれました。
私は、少しだけ言い表しようのない心地悪さを感じたことも付け加えました。彼女はいつも人に与えたいと願い、与えるものをたくさん持っていました。しかし、彼女が受け取ることはあるのだろうか?私から何かを受け取ることができるのだろうか?
この問いかけに、彼女は目に涙を浮かべました。それは、彼女にとって難しいことだったのです。
この答えに私は胸を打たれました。私たちは静けさの中で、しばらく感情で繋がり合いました。
それでもなお、チャンチャンは私から何も受け取れないままです。彼女は何かを与えなければいられないようです。これではバランスが取れていません。
そこで、ゲシュタルト療法の実験をしてみることにしました。私は、部屋の中に美しいガラスのビー玉を見つけたので、手にとってみました。そして、彼女に伝えました。これからビー玉を一つずつ差し上げます。それをまるでプレゼントを受け取るように貰ってください。
彼女はそれに同意し、さっそくやってみることにしました。私は彼女を見ながら、ちゃんと私からビー玉を受け取っているかを確認しながら、ゆっくりとワークをしました。彼女は弱さを見せながら震えていて、泣きながらビー玉を受け取っていきました。
何かを他の人から貰うということは、覚えている限り初めての経験だったとチェンチェンは言いました。彼女はいつも与える側の人で、人から注目してもらえる手段だったのです。与え続けることは、いつかは空っぽになってしまうことを意味しています。なぜなら、与え続けることは一方通行だからです。結果として人間関係もおかしくなってしまいます。ゆえに、友達がたくさんいて周囲からの評判が良かったとしても、孤独感を招いてしまいます。
このワークでは、私自身も経験するということを対話に取り入れてみました。彼女の残りの人生をどうするかを話すというよりも、私たち二人が「いま」を経験するということです。私も彼女同様に自分自身をワークに注ぎ込んだので、彼女の新しい経験が可能となりました。普通なら自動的に無意識のように行われる交流を、私は意識的に行いました。(決めつけることはせずに)私自身も経験することにより、彼女は受け入れることができるようになり、いままでとは違う何かに目を向けることができたのです。
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