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2015年6月22日月曜日

Case #42 - 安全を感じること

ヤスミンは最近離婚していた。彼女はもっと成熟し、親から自立したいと話していた。彼女の目には彼女の心のうちを語っているようで、感情であふれていた。私はそのことと、他に彼女の服装ーカラフルなショールや首にかけたビーズなどー彼女について観察できることを語った。
彼女は「あなたといると安心します」と言った。私は「それは投影方法というもので、ある意味、私は『安全』を示しているが、いつもあなたと一緒にいるわけではないのだよ」と答えた。彼女は自分の父親のことを思い出したようで、これを聞いてつらそうにしていた。
彼女は私と会うことは彼女にとって必要なことであり、会ってくれてありがとう、と言ってくれた。彼女は自分が親からは「良い女の子」であるという、条件付きの愛でしか愛してもらえないということを言い、親からは一人の人間としては見てもらえないということを話してくれた。私は彼女の話を聞きながら、親からの承認、受け入れ、ケアを必要としている彼女の子供としての自己と、彼女の大人の自己ー境界線を引き、彼女自身のなりたい人となる、そのような自分ーを見ることができた。
これら両方の自己を誰かに見てもらうということは彼女にとってはとても嬉しいことだった。この瞬間、私たちはお互いにフォーカスしていた。私は今自分が心を開いていて彼女を受け入れることができ、彼女が誰かに手をとってもらい、サポートを受けて、誰かにかまってもらうと同時に、彼女が自分の人生を変えていく、その両方をできるということを伝えた。
彼女は多くのレベルで共鳴してくれました。私は彼女に大人として話し、私たちの間にある境界線と私たちの間にあるつながりを伝えた後、彼女に子供としての自分になり、私から必要としているものを言うよう促した。
彼女は今までずっと父親から、自分は大切な存在だと言ってもらいたかった、と答えた。私は自分自身大人になった娘がいたので、彼女のために「父親モード」で話すことを快く引き受けた。そして、私は彼女の「父親」として、彼女がどれだけ私にとって大切かを話した。
それに対し彼女は「どんなことがあっても私のことを愛している」と言って欲しいと言った。そこで私はそのことを彼女にいい、また彼女がしたことに賛成していなかったり、彼女の正確の好きではない部分があったとしても、家族としての愛に根ざしているということを伝えた。
私は彼女の本当の父親ではなかったが、彼女が必要としていることばを伝えることができ、彼女には自分の父から聞くのと同じくらいのインパクトがあった。
それは、セラピーでしっかりとした人間関係を結ぶことによりうまれることであり、人々をこのようにして変えることができるのである。
彼女はセッションのあと、自分に一体感を感じ、自分の大人と子供の自己を一人の人として結合することができた。

2015年6月15日月曜日

Case #40 - 支えが必要だけど、自立することも必要

マーサは涙をこらえながら唇を噛んでいた。私は彼女が涙をこらえていることを言うと、彼女は自分の気持ちを抑えているのだと言った。私は彼女に、深呼吸をし、今ここにいることを感じるように促すと、彼女はもっと涙がでてきた。
彼女は涙を流しながら、長く、苦しい、今までの経験を話してくれた。彼女の父親は他の都市で仕事をしていた。彼が離れている間、マーサと、母親と彼女の兄弟は小さな町へ引っ越し、マーサは母親の両親と住むことになった。しかしそこでは祖父のいじめにあった。祖父は子供達があまりうるさくすると家を追い出すと脅し、実際に何回か彼らのスーツケースを家の外に投げ出したこともあった。この事件の前にはマーサの兄弟も祖父母と住んでいたが、マーサと母親が訪問する度に祖父母はマーサに何らかの欠点を見つけ、兄弟と比べたりした。
彼女の母親はとうとう家を出て新しい場所に住み始めました。しかし、彼女は美しい女性で、彼女が働いていた店の男性達は彼女を求めてよく家に来るのでした。母親は男性達を追い払っていましたが、ある日一人の男性を家に連れ込んでしまい、彼女は浮気をし始めました。マーサは彼が家に来る時、いつも怯えていました。
そして、浮気が発見された時、母親は、彼女達が住んでいた小さなコミュニティの中で社会的に侮辱されたのでした。マーサも学校でいじめにあいました。そして、マーサの父親が戻ってきた。祖父母はマーサの母親を殴ったりし、彼女は様々な苦痛を経験し、それらがトラウマとなっていった。
マーサの話は痛みと苦しみでいっぱいだった。話をしながら彼女は私の手をにぎり、私も強く握り返した。彼女が自分の過去の話をするなか、わたしたちはそのようにして座っていた。
心理療法における物語はさまざまな種類があります。あるものは古く、死んでいて、何度も同じ話を繰り返すもので、自分の無力さを強調したり共感を得るためのものだったりします。それらのストーリーは具現化し、様々な心理療法により生き返らせ、感情を通して息を吹き返らせる必要があります。
しかし、この物語は生きていた。それは30年間ずっと解放されるのを待っており、今回のような適切な機会を通して彼女の心から流れ出てきた。
彼女が落ち着いてから、私は彼女の手を放し、彼女の隣りにただ座っていた。
マーサは、自分の人生の中で光を感じることができる経験は何度かあったことを話してくれた。それは、彼女が母親と姉妹と、パンと豆しか食べる物が無いにも関わらず、親密さがあったこと。また、彼女を支えてくれたボーイフレンドたち。特に、一番最初のボーイフレンドは様々な家族との苦痛の中にある彼女を愛し、支えてくれた。
彼女の夫も彼女を支えてくれていた。彼女は夫ととても親密な関係にあり、彼らはお互い、とても愛し合っていた。全てがよかった。しかし、結婚して20年経った今、子供達は成長し、彼女は家族関係の痛みの中で彼女の避難所となっていた職場にもう興味がなくなってきていた。
彼女は新しい方向性を探していて、個人的な成長のためにキャリアを変えようとしていました。しかし、彼女の夫は今までのようにまだ彼女の手を握っていました。彼らの関係は、夫がマーサを支えていたから両立していたのです。しかし、今彼女が独立を必要としてるなか、夫はまだマーサの手を堅く握っていました。
私は彼女に今回のセッションと彼女の夫との関係の並行性を指摘しました。彼女は人生の辛い経験を思い出す時には私を必要していた。しかし、セッションの終わりには私は彼女の手を離すことができ、彼女は私が手を握らなくても隣りに座っていれば大丈夫だった、ということを彼女に伝えました。
私は彼女の夫が、彼女が独立してこの世界へ出て行かないといけない、ということを理解できるように、そして彼の不安を取り除けるように、いくつか夫へ伝える言葉の例文を作ってあげました。また、夫が彼女を手放し、外へ出て行くことをゆるしてくれることにより、彼女が夫から必要としているサポートを得ることが出来る、というこも伝えるように促しました。それは、マーサが独立することに賛成してくれることにより、夫が彼女の意思を尊重してくれる、という「支え」でした。
今回のセッションを通してこのような決断に達することによりマーサは自分が成熟し変わっていく中で、どのように自分の人間関係を変えて行くことが出来るかを学ぶことができました。




2015年6月10日水曜日

Case #39 - 我の強い花屋さん

私がセラピーセッションでボランティアを募った時、フランは席から飛び上がるようにして反応した。前回も、彼女が一番最初に質問をした人だったことを私は覚えていた。
彼女に色々と質問をするよりも、まず彼女と私の共通点を探ることにした。彼女は、誰かが何かをして欲しいと言った時に、よく最初に手を挙げるとシェアしてくれた。私は彼女に、私もそうであるということを打ち明けた。こうすることでわたしたちに共通点ができた。私は彼女がどのような仕事をしているのかを聞くと、彼女は花屋で働いていて、いつか自分の花屋をオープンし成功させたいということを教えてくれた。彼女が明るく、自分に自身のある若い女性だというのはすぐに分かり、私は彼女の夢を応援していることを彼女に伝えた。
このようにクライアントと共通点を見つけることにより、人間関係を作っていくことができます。私は、心理学的なことを探るために、彼女にどの花が一番好きなのかを聞いてみた。彼女はひまわりが好き、と答えたので、私もひまわりは大好きだということと、ひまわりの特徴で特に好きなものを彼女にシェアした。彼女はひまわりの陽気で明るく、強く、背が高いところが好きだと教えてくれた。
私は彼女が「強い」という言葉に少し力を込めて言ったような気がしたので、彼女がどのような時に自分が強いと感じるのかを聞いてみた。彼女は自分は確かに強い女性であり、そのような自分を好いていたが、たまに怒ると乱暴になるということを教えてくれた。
私はそれを聞いて、彼女とセラピーとしてのレスリングをやってみないか、と提案した。私たちはお互い向き合い、手と手を合わせて、お互い相手の手を押すことで、レスリングごっこをした。それはふざけながら楽しく、彼女の攻撃的な面を出すことができた。このアクティビティは彼女に「怒り」というものはネガティブなものだけでなく、ポジティブなもの変えることもできることを教えてくれた。こうして、私たちの仲は更に深まった。
この社会では強い女性はよく見られていないと思う、と私は言い、彼女もそのように思う場面を体験したことが無いかを聞いてみた。彼女はたまに自分は強く出過ぎて人を圧倒してしまうことがあると言った。私が具体的な例を聞くと、彼女はある時タクシーに乗って、タクシーのメーターを使いたくないと言ったタクシードライバーに対してどなったことがある、という話をした。私はこれを聞いて、私も同じ立場だったら、彼女と同じ行動を取ったであろう、と言った。しかし、それでも彼女は自分自身をコントロールできなくなると自分が嫌になる、と言った。
そこで私は彼女のバックグラウンドを把握するために、彼女の家族の中で、自分自身をコントロールできない人がいるか聞いてみた。彼女は子供の頃、父親がよく感情を強く表していたことを教えてくれた。しかし彼女はそれを恐れるよりも自分自身もそのようになってしまったため、タクシーの時のように、自分の怒りを制御できなくなるのが嫌だった。
私は彼女の言っていることが良くわかる、と伝えてから、大人になった今、彼女が父親のどのような良い性格を受け継ぎたいかと、どのような性格を受け継ぎたくないかを考えてみるよう提案した。そして私は彼女の前に椅子を置き、その椅子が父親だと思い彼に話すように促した。私は「お父さんに正直に心のうちを話してください」と言い、彼女がその「父親」に自分が彼のどのようなところを受け継ぎたいのか、ということと、彼と同じような道を歩まないようになくしたい特徴などを話すよう言った。彼女はこのアクティビティをしたあと心が軽くなり、自分が「怒り」というものを「だめな自分」と関連させるのではなく、自分は「いつ怒るのか」を使い分けることを学ぶことができた。
これをゲシュタルト法では「統合」(インテグレーション)とよび、クライアントが認識するだけではなく、体細胞を使って認識を変えるため、身体的なものでもある。

2015年6月5日金曜日

Case #38 - 何をしても失敗する女性

ジェマは挫折というものを恐れていた。彼女は何をしても失敗したのだ。一つの会社では5回も事故をおこし、他の会社では計算ミスをしたり、等々、彼女は自分が失敗ばかりしている話を延々と続けた。私は彼女の話を聞きながら、少し身構えた。彼女は延々と失敗談を語り、泣き崩れ、私は彼女と何時間いたとしても、何の解決も見出せないような気がした。彼女は両親との問題についても話し始めた。それは、彼女は両親の家を出た後のことだったが、彼女は両親に対して非常な怒りを持っており、特に父親の言動に信頼を失っていた。彼女は明らかに助けを求めていたが、その自暴自棄な姿を見て、私は逃げたくなった。
なので、私は問題の中に私自身が入っていく必要を感じ、彼女に「ではまずあなたの挫折という問題を取り扱いましょう」と言った。まずはじめに、あなたは既に私もその挫折感に巻き込んでいる、あなたの話し方は私に影響を与えている、と伝えた。彼女はうなずき、今まで他の人も同じようなリアクションだったと語った。自暴自棄になっている人を助けるためには、その人の話を延々と聞くのではなく、その人自身の問題を露(あらわ)にすることが大切だ。そのためにはまず、その人が自暴自棄であるが故に、他の人との関係にどのような影響を表しているかを明らかにすることだ。
私はジェマにあるゲームを提案した。それは私が彼女にどう反応しているかを彼女があてて、その後、彼女が当たっているかどうかを教えてあげる、というゲームだった。彼女は、私が彼女に対して忍耐強く我慢している、とまず最初に言ってみた。私は「いいえ」と彼女に答えた。彼女は更に私が彼女に同情している、と言ってみた。「それも違う」と私は答えた。
そして、私は彼女に「私はあなたに対してイライラしています。」と正直に教えてあげた。
更に、「私が感じているそのイライラの気持ちはどのようなものか考えてみてくれませんか」と彼女に言った。彼女は、私が自分の気持ちを抑えていると思うと、言った。なので、私はそれは半分くらいしか当たっていないということを言った。また更に彼女は私が胃や胸がむかむかしているのでは、と言ってみた。
なので私は彼女に本当のことを伝えた。それは、私は彼女に対し怒りを持っており、その怒りが胸を締め付けているような感じだと。
私はジェマが自分を悲劇のヒロインにしたり、自分の人生は挫折ばかりと思っている思考傾向を変えるため、このやりとりを彼女としたのだ。彼女に、辛い思いをしているのは彼女だけでは無いということを教えたかったのだ。私にとっても辛い、ということを彼女に知ってもらいたかった。またジェマが人々(特に父親)に対して偏執を持っていたのも分かっていたので、彼女がひとり心の中で相手の気持ちを探り当てるよりも、誰かがはっきりと教えてあげたほうがいいと思ったのだ。
次にわたしたちは役割を交代してロールプレイングをした。私が彼女のようになり、彼女は私の立場になったので、私は悲しく、落胆し、何をしても失敗をする人を演じ、今度は彼女が怒る番だった。
彼女は逆の立場になってみて初めて、自分が親の様に説教したり、どなったり、批判したり、けなしたり、良い結果を出す様プレッシャーを与えたりする者であることに気づいた。
このような考えは、彼女を今一度一方的な考えから引き出し、もっと広い範囲で物事が見えるようにしたので彼女にとって良い体験だった。
それから、私は彼女にある例えで説明した。それは、彼女が「怒る」という役職のために私をリクルートし、私はあまりにも仕事が上手くできたため、彼女の話を聞きはじめてすぐに怒りを感じ始めることができたという例えだった。また、私自身も、ある意味嗜虐的でこのロールプレイングに同意する自分がいた。
私は、このゲームは二人いるからこそ成り立つ物だと彼女に言った。彼女は、このゲームで怒っている方の役割をする時に、昔祖父母に与えられていたプレッシャーも感じていたと私に打ち明けた。
こうすることにより、私は彼女が物事に対しどのように感じるのかを見る事ができた。
私は更にもう一つのロールプレイングを与えた。それにはある筋書きとキャラクターが書いてあり、彼女にそれを自分の人生の人々に当てはめて再現してもらうようお願いした。彼女はそのロールプレイもやった。こうする事によりなぜ彼女がこんなにも挫折の概念にとらわれているのか、全体像を見る事ができた。
このロールプレイをしてから、彼女に自分の人生での人々にキャラクターが似ている有名な劇を選び、説明するよう促した。彼女が選んだストーリーは今まで私と話していた状況と全く同じようなものだった。
更に、もうひとつ違うストーリーを選ぶ様彼女に言った。それは劇でも映画でも良かったが、私はもっと広いジャンルでロールプレイをできるようこのように彼女にお願いしたのだ。すると彼女はハリーポッターを選んだ。私が彼女がどのキャラクターになりたいかを聞いたところ、彼女はハリー、と答えた。
わたしは「ハリーが見る様に私を見て下さい」と彼女に言った。それは、今までのロールプレイの中で、彼女は目を通して自分が被害者だということを訴えていたからだ。
彼女はハリーになりすまし、わたしたちはハリーポッターの映画の色々な場面について話しあった。ハリーのキャラクター性(誰にも殺されることができない等)を見て行く中で、彼女はハリーとしての自分を通して、自己確立をすることができた。
彼女は自分のアイデンティティが少しずつ変わるのを感じたし、私も彼女が変わっていくのを感じる事ができた。
このプロセスを踏むためには、私が彼女に対しオープンで、正直であることが大事だった。私は彼女の人間関係を取り扱い、色々なことを試し、最後に彼女を大きく変えるものを見つけることが出来た。しかし、そこに至るまでは、その前のプロセスも全て必要であったのだ。










2015年5月26日火曜日

Case #37 - 「刺す槍」と「守る槍」

セリアは見た目から30代だと思ったが、彼女は実際は51歳で子供もいた。私がびっくりしたのは彼女の波乱万丈の人生にも関わらず、彼女はとても落ち着いた表情をしていて、恐らくそこから彼女の若々しさが出ているのだろう、と察した。
私はこれらのことを深く探る余裕はその時にはなかったが、今後彼女のセラピーに活かせると思い、覚えておくことにした。クライアントと会ってすぐの印象を自己分析するのは、とても大切なことだ。例えそれが顔なじみのクライアントでも、毎回「新しい目」でクライアントを見ることによって話している中で今までの話と今話していることが噛み合わなかったり、セラピーの上で重要な役割を示す可能性があるからだ。
セリアが抱えていた問題は、10年来トレーニングしてきたソーシャルワーカーとしての仕事を始めるのが怖い、ということだった。彼女はずっと福祉関係で働いており、やっと子供達が自立したので、ソーシャルワーカーとしての仕事を始めようというのだった。セリアは仕事を始める上で既に周りのソーシャルワーカーに支えられていたので、私はセリアの自己評価や仕事に対する恐れの原因を分析するよりも彼女が今置かれている状況を知りたかった。
彼女の話を聞いていくうちに、彼女が抱えている問題が分かった。それは、もし彼女がこのようなに本格的に仕事を始めるようになったら、夫が離婚すると言い出したことだった。私は彼女の夫の反応は少し過剰だと思ったが、男尊女卑の文化の中では彼女の夫のリアクションはそれほどびっくりするものではないのだろう。ただ、セリアとのセッションをすすめていくうちに、彼女がもう何十年も夫からの虐待を受けていることも知った。
セリアはここ10年ソーシャルワーカーの勉強をしていたのだから、なぜこの問題がもっと早く取り扱われていないのかに疑問を持った。もしかしたら彼女の教師達も何もしようとしなかったのかもしれない。
セラピーをすすめていく中で、クライアントの心(気持ち)を取り扱うだけで無く、そのクライアントが置かれている状況を把握することはとても大切だ。クライアントが現在虐待を受けている場合は、特に重要であり、それをセラピーで重点的に取り扱う必要がある。
そのため、私は彼女の真の心の問題である「恐怖」を取り扱うまで、他の問題は取り扱わないことにした。彼女は暴力は最近まで続いていたと言った。
私はこのように彼女に私自身の想いを伝えた。私は彼女に心を開いており、彼女の抱えている問題の深刻さを受け止めており、彼女の支えになってあげたいが、同時に彼女の気持ちも尊重しており、あまりずけずけと彼女の心の中に入ろうとせず、慎重にセラピーをすすめて行きたいということを正直に伝えた。
私が「恐怖というのは、家族の一員のようなものになっていませんか。」と聞くと、彼女はうなずいた。私は彼女の抱いている恐怖を人に例えて表すようにお願いした。彼女が描写した「恐怖」は黒い服を着ていて、大きな目をしていて、微笑していて、やりを持っていた。彼女はその「恐怖」を「気味が悪い」と言った。
私は彼女が「恐怖」というものをしっかりつかみとることができるように、「『恐怖』はどのような服を着ているか」など、より具体的な質問をした。その後、彼女にゲシュタルトのある心理テストをするようにお願いした。それは彼女自身が「恐怖」になり、やりを持ち大きな目をして立っている「恐怖」がどのようなものかを表してもらうことだった。
彼女は「恐怖」を表し、私も、私の描いている「恐怖」の立ち振る舞いを同じようにやってみた。このような心理テストをクライアントとやることは、セラピーの中でとても役に立つことがある。
「恐怖」をお互い表現した後、私は彼女にまた座ってもらうようにお願いした。『恐怖」を言葉で説明したり、それになってみること自体は大変なことだったので、あまりそれに時間を費やしたくなかったからだ。
彼女は、このプロセスを通して私が彼女に多くのことをしてあげたように感じており、これ以上何かをしてもらうのは悪いと言い始めた。彼女は、ずっと「男性のご機嫌取り」をするよう教わってきたので、それに対して子供の頃は反抗したが、彼女の一部になっていた。なので、私が彼女を助けるためのプロセスをしていくなかで、彼女も私に何かお返しをしないといけないように感じたのだ。
そのため、私は一度セラピーを中断し、「私はあなたと共にここにいて、心を開いていますから、あなたが私にお返ししたいものは何かを教えてください」と言った。わたしたちはしばらく沈黙の中に座っていた。そして、セリアは口を開いて私に、セラピーを通して助けてくれたことに対し感謝を捧げたい、と言った。
この事を言った後、彼女は私と共にいることに今一度安心感を覚え、次のステップをすすむ準備ができた。クライアントが今体験していることに心の耳を傾け、その時その時にクライアントにどのような心の変動が起こっているかを理解し、クライアントに合わせてセラピーを進めることは、非常に重要です。
そして、私はセリアに「恐怖は今どこにいますか」と聞いたら、彼女自身の中にいる、と答えた。そして、槍が彼女の脳みそを突いていて痛い、ということを教えてくれた。
すると、私は彼女が直面している痛みを受け止め、彼女が経験している痛みが私をとても悲しませている、ということを伝えた。私は彼女を助けたかったし、彼女を守りたかったが、どうすればいいか分からない、ということを伝えた。そのような言葉に彼女は感動したようで、わたしたちはしばらくのうち静かに座って、お互いの心の繋がりを感じていた。この心の繋がりが重要である---それは、自分のことを思いやって、一緒にいてくれて、守ろうとしていて、尚かつ「物事を直す」のに早とちりでない、そのような存在である。
この繋がりは「あなたとわたし」という二人の人が繋がっている時である。私はセラピストであり、彼女はクライアントであったが、同時にわたしたちは一緒に座って共に痛みを共有している二人の人間でもあった。私は彼女の痛みを真剣に受け止めていた。私は、ただ実験のためや恐怖を形で表すためのセラピーではなく、彼女の恐怖は何年もの虐待によって積み重ねられたものであるのを理解していたからだ。
わたしたちは、この場所で共に時間を共有し、お互い心を開くことができた。私は、とても心が動かされたし、彼女も同様だった。わたしたちはこのことをお互いに伝えた。
すると、私は彼女に「私も槍を持っています。それは守りの槍です。」と言った。 私は彼女に私と、私が持っている守りの槍の存在を心に受け入れる様に促した。
彼女はこのことをとても容易くすることができ、同時に涙も出て来た。彼女はほっと安心し、誰かが彼女のことを思いやっていることを感じることが出来た。
この動作は「セルフオブジェクト」と呼ばれる。私のことを心に受け入れるということは、彼女は自分の意思を持って何かをすることができる、ということを意味していた。今までの人生では、彼女はまわりの男性のために何かをしていたので、これは彼女にとって重要なことだった。
今回のセラピーではたくさんのことをセラピーとしてしなかったが、彼女を大きく変えるものだった。最後に私はセリアに、これから彼女がしたい仕事に対して「恐怖」という存在は今どこにいるのかを聞いた。彼女は、もう「恐怖」には脅かされないわ、と答えた。「離婚をすることになっても?」と私が聞くと、離婚をすることになっても、と彼女は答えた。以上述べたセリアとのセラピーは虐待後のセラピーの一部分に過ぎない。彼女はまた虐待のサイクルに戻ってしまう可能性もあるので、私はよく注意して見ておかないといけないし、専門家であり人を思いやる者として、そのサイクルの一部にならないように注意したい。



2015年5月6日水曜日

Case #36 - 無感覚だった女性

ブレンダは自分のアイデンティティが明確で無いということで悩んでいた。彼女は他人との間に適切な境界線を作れないということと、相手にいつも調子を合わせてしまうということで悩んでいた。
また彼女は内向的で、あまり写真を撮られたり注目を浴びたりすることを好まないということから、私は人前にさらされること(恥辱)に対し何か心の問題を抱えていることを察し、セラピーを行う上でいつも以上に注意し、彼女の心の動きに対し敏感にならないといけないことを判断した。
私はブレンダに、あなたが話したい以上には話す必要は無いのだよ、ということをはじめに伝えた。
わたしたちはグループの中にいたので、私は彼女にグループの中にいることに対しどう思うかを聞いた。彼女は、グループの人達が彼女を見てはいるが、彼女は皆に視られている感じがしない、と答えた。その答えに対し、わたしは「それは皆がまだあなたの事をあまり知らないからですか?それともあなたが皆から隠れているからですか?」と聞くと、彼女は「どっちも」と答えた。
このようなことを聞く事は、彼女の人間関係を分析することに役立った。なので、私は更に問いただした。「私があなたを視ている時もあなたは私から隠れているのですか?」彼女は「はい」と答えた。
彼女は人に見て欲しい反面、人には見られたく無いという心の行き詰まりの状態にあった。そのため、私は彼女との対話を注意深くすすめないと、自分自身がこれを直そうとするあまりおかしくなってしまうことを懸念した。
こうして私は彼女の心を無理矢理探ろうとするのでは無く、彼女が既に自分自身について言っていたことを反芻した。例えば、ブレンダが自分自身についてシェアしてくれたことや、私が彼女に関して見えているものを---例えば彼女の着ている服の色など---そのまま彼女に伝えた。
こうする事によりわたしたちの間に関係性がうまれた。私は彼女に色々と聞くのではなく、私は彼女が心を開いてくれる時、彼女と共にいて、彼女に耳を傾けている事を行動で表した。羞恥心がある人(セルフエスティームが低い人)の場合、まわりがその人のことを色々と引き出そうとするよりも、クライアント自身が自分のことをシェアする機会を与えることが大切だと思う。
彼女の目はそれでも遠くを見ている感じだったので、私は彼女にそのことを伝えた。彼女が遠くを見始めたということは、彼女がこのような人との触れ合いをまだ受け止めるまでに行っていないことを明らかにした。私が彼女に何を見ているのかと聞くと、彼女は「沢山の世界が混じっていて、たくさんの過去の人生がある場所」と言った。
彼女のこのような状態を見て私は彼女が分離を経験していることを察し、彼女が危ない状況にあることを察した。そこで、私は彼女が見ている遠い場所に居続けていいということと、私自身やグループの皆もここで座って皆彼女と同じ場所に行く事ができる、ということを話した。
私の言葉は彼女を更に別の世界へ行く事を励まし、彼女はよりいっそう「遠い世界」に浸り始めた。このような心理学方法はゲシュタルト心理で変化のパラドックスと呼ばれ、クライアントをあるがままにさせ、既にあるものに自分を近づける方法である。
彼女は「今は何も感じないわ。」と言った。
別の言葉で彼女の今の状態を表すと、彼女は完全に分離したのだ。分離した状態では、特定の方法でしかクライアントと会話することができない。
私は彼女に、あなたがより安全を感じるためには私には何ができますか、と聞いた。その問いに彼女は「誰にも見られたくないの」と答えた。
私は彼女に言われたことに従った。しかし同時に悲しみも感じる、ということをブレンダに伝えた。それは、私は彼女を全く見ていないく、見ようともしない努力をしないといけないため、彼女は完全に私から隠れている状態になるからだ。私は彼女の暖かさを感じることは出来たが、彼女へ手を差し伸べる方法を見つけることができないと伝えた。
するとブレンダは私をみつめ、「私は人の助けを借りるのは好きじゃないのよ」と言った。
ブレンダのこの言動は、私に次にどうするべきかのヒントを与えてくれた。
私はある実験を提案した。それは、彼女が両手を挙げて、片手はひとを押し出すしぐさをし、もう片方は人の助けを借りられる状態にし、手を開いておくということだった。こうすることにより、ブレンダは私の支えを受け入れることができた。私がゆっくり手を伸ばすと彼女は空いているほうの手で私の手を握ってくれた。
彼女は更に「私には感覚をもたらせない見えない力が働いている」と言った。私はグループの一人にわたしたちの前に立ってその「見えない力」を表してもらうようお願いした。彼女はその人の名前は匿名であることを希望した。
「見えない力」を表している人に対し、私は彼女にその力に対しある宣言をするように言った。彼女は「見えない力」に対し「私はあなたが私に役立つ時はあなたに耳を傾けるけど、それ以外の時は私は人の支えを感じることができるようにするわ」と言った。
この宣言はブレンダにとって識別性と統合性を表した。
彼女がこう宣言することにより、物事に対する感覚が戻り、人からの支えを受けることができ、人間関係を築くことができ、自分の存在感を感じ、人生で物事を選択する権利があるということを感じはじめることが出来た。
ブレンダとのセラピーはとっても時間がかかり、常に彼女の境界線に注意し、あまり深入りしないように注意し、彼女が感じていることさえもあまり聞かない様注意する、とても大変なものだったが私は絶対にあきらめなかった。通常、ブレンダのようにあまり心を開かない人に対し、人々はあまり深入りをしないようにしたり、表面だけでの関係を持とうとしたり、たまにはその人に過剰に興味を示したり優しくしたりすることによって圧倒させてしまいます。ブレンダのような人々に必要なのは暖かさはあるが、圧倒するほどのものでは無く、興味を持ってくれるが本人を圧倒させるほどのものでは無い、中立した関係です。これは順応性と呼ばれ、人間関係の中では重要なスキルの一つにはいります。

2015年4月29日水曜日

Case #35 - 元旦那に対しての怒り

マリオンは離婚後、元夫と親権について同意できずにいた。しかし、彼女と話すなかで、彼女が抱えている問題はただそれだけではないことが明らかになってきた。彼女の抱えている問題は元夫への不満と未解決の心の問題などであった。
私は彼女とのカウンセリングをすすめる前に、彼女が私を見る時鋭い目つきで見ていて、それがかなり印象的であることを伝えた。更に、彼女に「私とあなたの元旦那さんの共通点は男性だということで、あなたが彼に対して感じていることが私にも向けられている気がします」と伝えた。
私がなぜカウンセリングを受けに来たのかという問いに彼女は「怒りがあるから」と答えた。
私は彼女が何に対し怒っているのかを聞いたところ、マリオンは自分の今までの境遇を長々と話し始めた。私がまた少し経って「あなたのおっしゃることは分かりました。でもあなたは本当は何に対して怒りを持っているのですか」と聞いたら、また長々と彼女の今までの話しをしはじめた。
私は彼女からはっきりとした答えをもらえるまで何回か同じ質問を繰り返した。彼女はやっと、元夫が自分のビジネスのために彼女を経済的に支えることをやめ、その事で彼に裏切られたと感じ、怒りを覚えていると言った。また彼がお金の使い道に関して彼女だけで無く一緒に住んでいた彼女の両親にも嘘をついたため怒りを覚えていると言った。
私は彼女に「ええ、今あなたが怒りを感じているのは目を見れば分かります。そこで聞きたいのですが今、あなたはどのような想い(感情)を抱いているのですか?」と質問しました。
すると彼女は自分の想いというよりも、元夫に対しての判断や所見、彼に対しての意見などを私に話した。
ただ、彼女は「わたしは自分の気持ちを抑えている」とも打ち明けてくれた。
そこで私は彼女に「私が元夫だと思ってその感情をぶつけてみてください」と言った。すると彼女は自分も以前の状況の中で悪かったことなどを話し始めた。
私はもう一度彼女のフォーカスを戻し、始めに「私は...に対して怒っている。。。」という言葉から始め、私に直接怒りをぶつけるようにと彼女に伝えた。
そして、やっと彼女は自分の気持ちを表現することができ、彼女が何に対して怒っているのか言葉に出すことが出来た。私は彼女の気持ちを汲み取り、彼女が怒りを持っているのはもっともで、彼女がどうして怒るのか分かる、ということを伝えた。そして、彼女が自分の怒りを表現するうちに涙も出てきて、彼女の痛みが伝わってきた。
私は、彼女にこのように自分の気持ちを正直にぶつけ続けることを勧め、彼女はそうするうちに怒っては涙を流し、泣いては怒りをぶつけてくることができた。
又、彼女は自分が聞いてもらえることを理解するにつれ、自分に自信を持ち、自分の気持ちを素直に表現することができた。その中で、彼女が自分の気持ちを振り返り無言になり、ただ私がうなずいている時もあった。
セッションが終わる頃には彼女の心はとても軽くなり、今まで離婚後抱えていた痛みと怒りを外に出すことができていた。
彼女は自分自身の感情に押しつぶされない様に長々と自分の体験を話していたが、私はこのプロセスが上手くいくために、彼女を常に自分の感情にフォーカスさせ、この体験を通してどのように感じているかを理解させ、彼女の体験に自分もロールプレーをして入る必要があった。私は彼女に人間関係による怒りを真正面からぶつける機会を与え、彼女が自分の心のうちを上手く表現できるようサポートし励ましてあげた。それをうまくできるまでは少し時間がかかった。また、私は彼女が自分の感情と向き合うのを回避しようとしているのが分かっていたので、彼女が自分が体験したことや感じたことと向き合える様助けてあげた。
また、彼女の話を聞きながらわたしは頷き、彼女の話に耳を傾けた...それは彼女がずっと求めていたことであり、彼女は今までずっと誰かに自分のことを見てほしい、聞いてほしい、と思っていたのだ。私は彼女の元夫では無かったが、彼女が満足を得るには十分な「代理」だった。又、私が男性だということは彼女の中の怒りを掻き立てるには十分であったし、私の彼女に対する受容性(彼女の話しを受け入れる態度)はただ演技をしているだけでは無いということを彼女は感じることができた。
特にこのセッションを通して注目したいのは、彼女が怒鳴ったり、叫んだり、枕を叩いたり、声を張り上げたりしなかったことだ。怒りというものはその人がどのように人との関係で用いるか、また自分がどのように自分の怒りに対し対応するかによって変わり、必ずしも感情表現をするドラマチックなセラピーを通してではない。

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http://www.depth.net.au

For Men

Here is a dedicated site for my book Understanding the Woman in Your Life

http://www.manlovesawoman.com

The Unvirtues

A site dedicated to this novel approach to the dynamics of self interest in relationship

http://www.unvirtues.com

Learn Gestalt

A site with Gestalt training professional development videos, available for CE points

http://www.learngestalt.com

We help people live more authentically

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Gestalt therapy demonstration sessions

Touching pain and anger: https://youtu.be/3r-lsBhfzqY (40m)

Permission to feel: https://youtu.be/2rSNpLBAqj0 (54m)

Marriage after 50: https://youtu.be/JRb1mhmtIVQ (1h 17m)

Serafina - Angel wings: https://youtu.be/iY_FeviFRGQ (45m)

Barb Wire Tattoo: https://youtu.be/WlA9Xfgv6NM (37m)

A natural empath; vibrating with joy: https://youtu.be/tZCHRUrjJ7Y (39m)

Dealing with a metal spider: https://youtu.be/3Z9905IhYBA (51m)

Interactive group: https://youtu.be/G0DVb81X2tY (1h 57m)