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2015年8月4日火曜日

Case #44 - 「繭」を通しての再生

ニコールは明らかに悩んでいた。彼女はこの間見た夢のことを私に話してくれた。夢で、彼女は自分が繭の中にいるようで、外に出たいけど、外に出ることによって自分は変態するのか、それとも死んでしまうのか、どちらか分からなくて怖かった、という夢だった。
私は彼女の使った「繭」というイメージをセラピーに用いることにした。セラピーでは必ずしも、クライアントのバックグラウンドを全部把握していなくても、クライアントが話している比喩を用いて、それを土台に話をすすめていくこともできる。この場合、明らかに「繭」という比喩では変化を望んでいるが、変化を恐れている、というのを見ることができた。ゲシュタルト法では、これを「安全脱出法」と呼んでいる。それは、クライアントが望んでいる自分へ変わって行くことを安全な環境で促すものだからだ。
そこで、私はグループの中から6人選び、「繭」として彼女を囲む様お願いした。ニコールはすぐに、前よりも激しく泣き出し、地面にしゃがみこんでしまった。私は周りの人々に彼女を囲んで座る様、お願いした。私は彼女に、自分の世界に引っ込んでしまわずに、まわりの人々とアイコンタクトをとるよう伝えた。そうしないと、自分の世界へ入ってしまい、外の世界にいる人々と人間関係を持つ事をしなくなってしまうからだ。そうなった場合、その人の感情はただ自分の心の中でぐるぐるとまわり、実際には進歩しないからだ。
彼女が言われた通りにすると、一人の女性を見て「あなたのことは嫌いよ」と言った。しかし、これはその女性に向けて言われたわけではなくて、その女性がニコールの母親を思い出させるような人だったからだ。なので、私はニコールにその女性に話し、言いたいことを全部言うよう伝えた。
「どうして私を捨てたの」と彼女は聞いた。ゲシュタルト法では「なぜ」の質問系はあまりに役に立たないと見なされているので、私はそれを質問ではない文章に変えて言う様促した。
すると、彼女の心の痛みが引き出されてきて、子供の頃、母親に捨てられたことを語り始めた。はじめに供述したように、私は細かいことを色々聞かなくても、彼女の心を解放することができた。彼女はその時、変化のプロセスを歩んでおり、それで十分彼女は解放されることが出来た。
私は、彼女がこの心の変化に直面し、人々とアイコンタクトを取り続け、深呼吸をするために彼女を支えていた。彼女も、彼女の「母親」役の女性も、とても感情的になっていた。
数人の人で作られたサポートサークルは、彼女が自分の心に押しつぶされている状態にあって、彼女を優しく包み込んでくれる存在として、大切だった。
とうとう彼女は疲れて、横になりたいと言った。
私はニコールを「母親」役の女性の膝の上で寝かせ、しばらく休ませた。
ニコールが10分後に起きると、彼女は生き返った感じがし、以前はむなしさと痛みがあった自分の心に繋がりを感じることができ、暖かさも感じることができた。

2015年7月23日木曜日

Case #43 - 毒性のある「母の声」

テレサは自分の会社を立ち上げるため安定した仕事を辞めました。それは、自分へのチャレンジのためだと彼女はいいました。
しかし、彼女は何かが失敗すると分かっている時以外は、強い不安感をいつも抱いていました。彼女は成功に近づくにもかかわらず、それが確実に確保されるま瞬間まではいつも不安を抱いていました。そして、その不安は彼女の個人的な生活の中でも反映されました。
それがどこからきたか、またどうすればいいか彼女は全く分からなかった。
私はそれが物事をコントロールしないといけないと彼女が無意識に思っているからだと思いました。私が彼女の人間関係を探って行くうちに、母親が彼女をコントロールしているということが分かりました。
私たちがこのことを話している途中でテレサは頭痛を感じはじめました。それは、彼女の母親が「彼女の頭の中」に存在しているからだと、私は察しました。なので私はクッションを彼女の母親とさせ、彼女が母親に話しかけるよう促しました。このように心のうちにあるものを外に出す、という方法は典型的なゲシュタルト法です。私は彼女が母親に何かをいい、すぐに場所を交換し「母親になり」、返事をするようにいいました。
私は「彼女の母親」が言っていることを聞き、かなりショックをうけた。「母親」はテレサに対して酷い事をいい、テレサは彼女の美しい姉妹に比べて醜い、や、テレサが悪い人間である、など言い、更には彼女(母親)は本当は子供は欲しくなくてただの義務で母親をしているし、もし子供がいたら男の子が欲しかったのだ、とまで言った。
これは、ただの「悪い母親」というだけではなく「有毒な母親」というタイトルに価するものだった。このような言葉は人との対話に良いものを生み出すことのできないものだった。
私は「母親」にテレサへ話すのをやめるように言い、彼女(母親)を「インタビュー」して、彼女(母親)のことをもっと良く理解しようとつとめた。
わたしがそうするにつれ、「母親」はとても興味深い答えをした。彼女は、「有毒な母」というレッテルの通りのことをいいはじめた。「母親」はテレサが重荷であり、彼女は自分の子供達によって自分が良く見られることにしか興味がないとまで言った。テレサは今経済的に成功しており、それは彼女を良い母親として世間に見られる様にしてくれたため、今はテレサのことをそれほど嫌がってはいない、ということを言った。
みなさんは、これはすべてただテレサの投影である、と言うかもしれません。しかし「母親」がこの会話で話したことは彼女が実際にテレサへ言った言葉なのです。
ポイントは、母親を「悪者」にしたてあげることではありません。もちろん、母も自分なりの困難があったことでしょう。しかし、自分の子供をここまで見下すことは毒性があり、それによってテレサは自分への自信をなくし、このような不安感が生まれるのでした。
そこで、私はテレサに今度はしっかりとした境界線を引き、母親に話しかけるよう促しました。彼女ははじめに「...しないでください。」といいはじめたが、私は、そのような表現はまだ母親に決定権を委ねているため、もう一度言い直すように言った。
わたしは、彼女に「私は...を受け入れることはしません」という言い方をし、ゲシュタルト法で重要である、明確な境界線を引くように言った。
このような表現を考える手助けを得、何回か繰り返すことは彼女にとってとても重要だった。
セッションの終わりでは彼女は心が安定し、自分の「頭の中の母親の声」により自分の自信が奪われるのを制御することができるようになった。
これは典型的なゲシュタルト法を用いたもので、どこかでとまっている心の会話を外に持ち出し、それを動かすサポートをするというものです。






2015年7月18日土曜日

Case #42 - 安全を感じること

ヤスミンは最近離婚していた。彼女はもっと成熟し、親から自立したいと話していた。彼女の目には彼女の心のうちを語っているようで、感情であふれていた。私はそのことと、他に彼女の服装ーカラフルなショールや首にかけたビーズなどー彼女について観察できることを語った。
彼女は「あなたといると安心します」と言った。私は「それは投影方法というもので、ある意味、私は『安全』を示しているが、いつもあなたと一緒にいるわけではないのだよ」と答えた。彼女は自分の父親のことを思い出したようで、これを聞いてつらそうにしていた。
彼女は私と会うことは彼女にとって必要なことであり、会ってくれてありがとう、と言ってくれた。彼女は自分が親からは「良い女の子」であるという、条件付きの愛でしか愛してもらえないということを言い、親からは一人の人間としては見てもらえないということを話してくれた。私は彼女の話を聞きながら、親からの承認、受け入れ、ケアを必要としている彼女の子供としての自己と、彼女の大人の自己ー境界線を引き、彼女自身のなりたい人となる、そのような自分ーを見ることができた。
これら両方の自己を誰かに見てもらうということは彼女にとってはとても嬉しいことだった。この瞬間、私たちはお互いにフォーカスしていた。私は今自分が心を開いていて彼女を受け入れることができ、彼女が誰かに手をとってもらい、サポートを受けて、誰かにかまってもらうと同時に、彼女が自分の人生を変えていく、その両方をできるということを伝えた。
彼女は多くのレベルで共鳴してくれました。私は彼女に大人として話し、私たちの間にある境界線と私たちの間にあるつながりを伝えた後、彼女に子供としての自分になり、私から必要としているものを言うよう促した。
彼女は今までずっと父親から、自分は大切な存在だと言ってもらいたかった、と答えた。私は自分自身大人になった娘がいたので、彼女のために「父親モード」で話すことを快く引き受けた。そして、私は彼女の「父親」として、彼女がどれだけ私にとって大切かを話した。
それに対し彼女は「どんなことがあっても私のことを愛している」と言って欲しいと言った。そこで私はそのことを彼女にいい、また彼女がしたことに賛成していなかったり、彼女の正確の好きではない部分があったとしても、家族としての愛に根ざしているということを伝えた。
私は彼女の本当の父親ではなかったが、彼女が必要としていることばを伝えることができ、彼女には自分の父から聞くのと同じくらいのインパクトがあった。
それは、セラピーでしっかりとした人間関係を結ぶことによりうまれることであり、人々をこのようにして変えることができるのである。
彼女はセッションのあと、自分に一体感を感じ、自分の大人と子供の自己を一人の人として結合することができた。

2015年7月9日木曜日

Case #41 -

フランシスはとても耳障りな咳払いをしていました。彼女と会った時、私もその咳払いが気になったので、それを彼女に伝えると、「この咳をする度に人に嫌な目で見られるんです」と彼女は言った。わたしは、「うん、その咳は少し気になるね」と彼女に答えた。
そこで、わたしたちは「妨害」というものを探求することにしました。私は、人を「邪魔する」良い方法もあるということを説明しました。例えばコメディアンはその例の一つです。そして革命家も。そしてグループ内の現状を乱す人々---彼らもまた、必要とされています。私は「和を乱す」いくつかの例を挙げることによって、彼女に人を「妨害する」ということに対し他の選択肢があるということを伝えたかったのです。
私は、グループ内の何人かを「邪魔する」ように彼女を促しました。彼女はふざけて一人の人のほっぺたをつまみ、他の人の足の上に横たわったりしました。
これらはあまり考えずにできるちょっとした楽しい行動だったが、彼女はすぐに人を「邪魔する」他の方法があるということを理解することができた。
私は彼女の現在の状況を知るために、家族の中で誰が嫌な人(邪魔する人)であるかを尋ねた。彼女はちょうど最近、母親が浮気していることが判明したと述べました。更に彼女の話を聞いていくうちに、彼女の父親は既に何年も浮気をしていたことを知った。
これは明らかに彼女を不安定にさせていたが、私は彼女の両親が何をしているかにあまりつけ込むつもりはなかった。彼女は、自分が家を出たから、母親が浮気をはじめたのだと言い、自分を責めていた。私は「あなたの母親の行動にあなたが責任感を感じる必要は無いんですよ」と彼女に言った。
私は彼女にフォーカスを戻したかったので「今、あなたは強烈な視線で私を見ているね。私は、ちゃんとあなたの話を聞いているから大丈夫だよ」と言った。彼女は子供の頃、何かがかけていたと述べた。彼女の両親は自分達の問題や争いごとで忙しく、彼女はあまり両親にかまってもらうことができなかったと。また、あったとしてもそれは悲しくも反応的な態度だった。彼女は両親に批判されるよりも彼らの愛情が欲しかったことを話してくれました。そこで、私は子供にとって、全く注目されないよりも負の注目(批判的)があったほうが良い、ということを述べた。それは、彼女が子供の頃経験した事に関わらず、今の自分が人に注目してもらうためにできることに対して、様々な選択肢があるというのを理解してほしかったからだ。
そして、今、私と一緒にいるグループの人達は彼女に注目を注いでいるということを見て欲しい、と彼女に言った。しかし彼女はグループの小さな変化に気づき、数人は気を取られていることを指摘しました。私は、彼女が大人数の中でも、人々がどこに注意を払っているのかに気づくことができるということを察しました。
そこで私は「分かった。でも今、私は本当にあなたにフォーカスしているので、それを感じてほしい」と言った。わたしたちはしばらくそこに座っていた。通常は、クリエイティブな心理療法、洞察、様々気づきがあるのだが、この時は、私は非常に平坦なものを感じた。それは何も無い平らな野原のようだった。私がそのことを彼女に伝えると、彼女は「そう、夫や他の人からもそう言われる」といい、彼女もまた、平坦な感じがする、と言いました。
なので私は今この瞬間、彼女と共有している空間があることを言いました。そのような親密性と結合性の瞬間は深い感情が入っているものなのです。しかし、今わたしたちが共有していた空間は何も無かったのです。私は自分のクリエイティブな部分を全て失ったかのようで、そのようなことに慣れていないと彼女に伝えると、彼女は「クリエイティブ」という言葉が好きだったようで、反応した。
彼女は「あなたの和を乱し、大胆な何かをしたい」と言ったので、私は「どうぞ」と言いました。そこで彼女は私の頬にキスをしました。私は「ああ、何もない風景画に色を塗ってくれたね!」と言いました。これは良い意味のコンタクト(接触)で、深い共有感のある瞬間でした。それによって彼女に大きな変化が起こり、彼女の中の何かが解放されました。
これは「注目」と「邪魔するもの」の両方の要素を用いて行った非線形ダイナミクスです。ゲシュタルト法では、必ずしも直線的で目的達成型のものでは無く、川のように流れに沿って、クライアントの現象と合わせ、自分の心の動きも感じ取っていくことが大事です。このようにすることにより、身体的認知(意識的な洞察)、いわゆる統合性を生み出すことができるのです。

2015年6月22日月曜日

Case #42 - 安全を感じること

ヤスミンは最近離婚していた。彼女はもっと成熟し、親から自立したいと話していた。彼女の目には彼女の心のうちを語っているようで、感情であふれていた。私はそのことと、他に彼女の服装ーカラフルなショールや首にかけたビーズなどー彼女について観察できることを語った。
彼女は「あなたといると安心します」と言った。私は「それは投影方法というもので、ある意味、私は『安全』を示しているが、いつもあなたと一緒にいるわけではないのだよ」と答えた。彼女は自分の父親のことを思い出したようで、これを聞いてつらそうにしていた。
彼女は私と会うことは彼女にとって必要なことであり、会ってくれてありがとう、と言ってくれた。彼女は自分が親からは「良い女の子」であるという、条件付きの愛でしか愛してもらえないということを言い、親からは一人の人間としては見てもらえないということを話してくれた。私は彼女の話を聞きながら、親からの承認、受け入れ、ケアを必要としている彼女の子供としての自己と、彼女の大人の自己ー境界線を引き、彼女自身のなりたい人となる、そのような自分ーを見ることができた。
これら両方の自己を誰かに見てもらうということは彼女にとってはとても嬉しいことだった。この瞬間、私たちはお互いにフォーカスしていた。私は今自分が心を開いていて彼女を受け入れることができ、彼女が誰かに手をとってもらい、サポートを受けて、誰かにかまってもらうと同時に、彼女が自分の人生を変えていく、その両方をできるということを伝えた。
彼女は多くのレベルで共鳴してくれました。私は彼女に大人として話し、私たちの間にある境界線と私たちの間にあるつながりを伝えた後、彼女に子供としての自分になり、私から必要としているものを言うよう促した。
彼女は今までずっと父親から、自分は大切な存在だと言ってもらいたかった、と答えた。私は自分自身大人になった娘がいたので、彼女のために「父親モード」で話すことを快く引き受けた。そして、私は彼女の「父親」として、彼女がどれだけ私にとって大切かを話した。
それに対し彼女は「どんなことがあっても私のことを愛している」と言って欲しいと言った。そこで私はそのことを彼女にいい、また彼女がしたことに賛成していなかったり、彼女の正確の好きではない部分があったとしても、家族としての愛に根ざしているということを伝えた。
私は彼女の本当の父親ではなかったが、彼女が必要としていることばを伝えることができ、彼女には自分の父から聞くのと同じくらいのインパクトがあった。
それは、セラピーでしっかりとした人間関係を結ぶことによりうまれることであり、人々をこのようにして変えることができるのである。
彼女はセッションのあと、自分に一体感を感じ、自分の大人と子供の自己を一人の人として結合することができた。

2015年6月15日月曜日

Case #40 - 支えが必要だけど、自立することも必要

マーサは涙をこらえながら唇を噛んでいた。私は彼女が涙をこらえていることを言うと、彼女は自分の気持ちを抑えているのだと言った。私は彼女に、深呼吸をし、今ここにいることを感じるように促すと、彼女はもっと涙がでてきた。
彼女は涙を流しながら、長く、苦しい、今までの経験を話してくれた。彼女の父親は他の都市で仕事をしていた。彼が離れている間、マーサと、母親と彼女の兄弟は小さな町へ引っ越し、マーサは母親の両親と住むことになった。しかしそこでは祖父のいじめにあった。祖父は子供達があまりうるさくすると家を追い出すと脅し、実際に何回か彼らのスーツケースを家の外に投げ出したこともあった。この事件の前にはマーサの兄弟も祖父母と住んでいたが、マーサと母親が訪問する度に祖父母はマーサに何らかの欠点を見つけ、兄弟と比べたりした。
彼女の母親はとうとう家を出て新しい場所に住み始めました。しかし、彼女は美しい女性で、彼女が働いていた店の男性達は彼女を求めてよく家に来るのでした。母親は男性達を追い払っていましたが、ある日一人の男性を家に連れ込んでしまい、彼女は浮気をし始めました。マーサは彼が家に来る時、いつも怯えていました。
そして、浮気が発見された時、母親は、彼女達が住んでいた小さなコミュニティの中で社会的に侮辱されたのでした。マーサも学校でいじめにあいました。そして、マーサの父親が戻ってきた。祖父母はマーサの母親を殴ったりし、彼女は様々な苦痛を経験し、それらがトラウマとなっていった。
マーサの話は痛みと苦しみでいっぱいだった。話をしながら彼女は私の手をにぎり、私も強く握り返した。彼女が自分の過去の話をするなか、わたしたちはそのようにして座っていた。
心理療法における物語はさまざまな種類があります。あるものは古く、死んでいて、何度も同じ話を繰り返すもので、自分の無力さを強調したり共感を得るためのものだったりします。それらのストーリーは具現化し、様々な心理療法により生き返らせ、感情を通して息を吹き返らせる必要があります。
しかし、この物語は生きていた。それは30年間ずっと解放されるのを待っており、今回のような適切な機会を通して彼女の心から流れ出てきた。
彼女が落ち着いてから、私は彼女の手を放し、彼女の隣りにただ座っていた。
マーサは、自分の人生の中で光を感じることができる経験は何度かあったことを話してくれた。それは、彼女が母親と姉妹と、パンと豆しか食べる物が無いにも関わらず、親密さがあったこと。また、彼女を支えてくれたボーイフレンドたち。特に、一番最初のボーイフレンドは様々な家族との苦痛の中にある彼女を愛し、支えてくれた。
彼女の夫も彼女を支えてくれていた。彼女は夫ととても親密な関係にあり、彼らはお互い、とても愛し合っていた。全てがよかった。しかし、結婚して20年経った今、子供達は成長し、彼女は家族関係の痛みの中で彼女の避難所となっていた職場にもう興味がなくなってきていた。
彼女は新しい方向性を探していて、個人的な成長のためにキャリアを変えようとしていました。しかし、彼女の夫は今までのようにまだ彼女の手を握っていました。彼らの関係は、夫がマーサを支えていたから両立していたのです。しかし、今彼女が独立を必要としてるなか、夫はまだマーサの手を堅く握っていました。
私は彼女に今回のセッションと彼女の夫との関係の並行性を指摘しました。彼女は人生の辛い経験を思い出す時には私を必要していた。しかし、セッションの終わりには私は彼女の手を離すことができ、彼女は私が手を握らなくても隣りに座っていれば大丈夫だった、ということを彼女に伝えました。
私は彼女の夫が、彼女が独立してこの世界へ出て行かないといけない、ということを理解できるように、そして彼の不安を取り除けるように、いくつか夫へ伝える言葉の例文を作ってあげました。また、夫が彼女を手放し、外へ出て行くことをゆるしてくれることにより、彼女が夫から必要としているサポートを得ることが出来る、というこも伝えるように促しました。それは、マーサが独立することに賛成してくれることにより、夫が彼女の意思を尊重してくれる、という「支え」でした。
今回のセッションを通してこのような決断に達することによりマーサは自分が成熟し変わっていく中で、どのように自分の人間関係を変えて行くことが出来るかを学ぶことができました。




2015年6月10日水曜日

Case #39 - 我の強い花屋さん

私がセラピーセッションでボランティアを募った時、フランは席から飛び上がるようにして反応した。前回も、彼女が一番最初に質問をした人だったことを私は覚えていた。
彼女に色々と質問をするよりも、まず彼女と私の共通点を探ることにした。彼女は、誰かが何かをして欲しいと言った時に、よく最初に手を挙げるとシェアしてくれた。私は彼女に、私もそうであるということを打ち明けた。こうすることでわたしたちに共通点ができた。私は彼女がどのような仕事をしているのかを聞くと、彼女は花屋で働いていて、いつか自分の花屋をオープンし成功させたいということを教えてくれた。彼女が明るく、自分に自身のある若い女性だというのはすぐに分かり、私は彼女の夢を応援していることを彼女に伝えた。
このようにクライアントと共通点を見つけることにより、人間関係を作っていくことができます。私は、心理学的なことを探るために、彼女にどの花が一番好きなのかを聞いてみた。彼女はひまわりが好き、と答えたので、私もひまわりは大好きだということと、ひまわりの特徴で特に好きなものを彼女にシェアした。彼女はひまわりの陽気で明るく、強く、背が高いところが好きだと教えてくれた。
私は彼女が「強い」という言葉に少し力を込めて言ったような気がしたので、彼女がどのような時に自分が強いと感じるのかを聞いてみた。彼女は自分は確かに強い女性であり、そのような自分を好いていたが、たまに怒ると乱暴になるということを教えてくれた。
私はそれを聞いて、彼女とセラピーとしてのレスリングをやってみないか、と提案した。私たちはお互い向き合い、手と手を合わせて、お互い相手の手を押すことで、レスリングごっこをした。それはふざけながら楽しく、彼女の攻撃的な面を出すことができた。このアクティビティは彼女に「怒り」というものはネガティブなものだけでなく、ポジティブなもの変えることもできることを教えてくれた。こうして、私たちの仲は更に深まった。
この社会では強い女性はよく見られていないと思う、と私は言い、彼女もそのように思う場面を体験したことが無いかを聞いてみた。彼女はたまに自分は強く出過ぎて人を圧倒してしまうことがあると言った。私が具体的な例を聞くと、彼女はある時タクシーに乗って、タクシーのメーターを使いたくないと言ったタクシードライバーに対してどなったことがある、という話をした。私はこれを聞いて、私も同じ立場だったら、彼女と同じ行動を取ったであろう、と言った。しかし、それでも彼女は自分自身をコントロールできなくなると自分が嫌になる、と言った。
そこで私は彼女のバックグラウンドを把握するために、彼女の家族の中で、自分自身をコントロールできない人がいるか聞いてみた。彼女は子供の頃、父親がよく感情を強く表していたことを教えてくれた。しかし彼女はそれを恐れるよりも自分自身もそのようになってしまったため、タクシーの時のように、自分の怒りを制御できなくなるのが嫌だった。
私は彼女の言っていることが良くわかる、と伝えてから、大人になった今、彼女が父親のどのような良い性格を受け継ぎたいかと、どのような性格を受け継ぎたくないかを考えてみるよう提案した。そして私は彼女の前に椅子を置き、その椅子が父親だと思い彼に話すように促した。私は「お父さんに正直に心のうちを話してください」と言い、彼女がその「父親」に自分が彼のどのようなところを受け継ぎたいのか、ということと、彼と同じような道を歩まないようになくしたい特徴などを話すよう言った。彼女はこのアクティビティをしたあと心が軽くなり、自分が「怒り」というものを「だめな自分」と関連させるのではなく、自分は「いつ怒るのか」を使い分けることを学ぶことができた。
これをゲシュタルト法では「統合」(インテグレーション)とよび、クライアントが認識するだけではなく、体細胞を使って認識を変えるため、身体的なものでもある。

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