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2014年5月20日火曜日

Case #79 - あなたは安心していますか、それとも不安ですか?もしくはその両方?

ブライアンとメラニーは集団過程の際会話をしていました。ブライアンは、信頼が彼にとってどんなに大切なものなのか、そして彼が心を開くまでにかなりの時間を費やしたことについて話していました。彼は、まず他人への信頼感をもっていなければなりませんでした。メラニーは彼に、彼が信頼という言葉によって正確には何を意味しているのかを問いました。ブライアンは説明しようとしました。ー彼は人々を観察し、彼らの行動を見て、そして彼らが彼が心地よく感じる方法でコミュニケーションをとっているかを決定したのです。
メラニーはこれに対して完全には喜ばしくは思いませんでした。彼女は彼との体験に伴う彼女の不快な感情ついて語りました。ー彼女はそのように観察されるのが好ましく思わなかったのです。また、彼女は知らず知らずに彼を起こらせてしまったら何が起こってしまうのか確かではありませんでした。
ブライアンは、それはつまり安心できるかどうかということだと言いましたー彼にとってはそれは重要でした。そして、彼はそういうふうに彼自身を大事にしたのです。メラニーは言いましたーわたしはあなたといて安心できるかどうかわからないわ。ブライアンは彼が集団の中で心を開くために十分安心できるかどうかの彼にとっての重要性を何度も繰り返しました。
私は立寄り、彼に本当にメラニーの話を聞いたのか尋ねました。彼は頷きましたが、安心することを必要とする彼の姿勢を繰り返しました。私は少し強く言いましたーそうだね、けっこうなことだ。だけど、あなたは自分が他人にとって不安全な振る舞いをしているかもしれないということに気づいているのかい?ブライアンは顔を振りました。私は私自身の彼との体験からいくつかの例を挙げようとしました。
わたしはたとえ彼が側にいて楽しい人だと捉えていたとしても、メラニーが述べたように、もし知らず知らずに自分が彼が好きではないことをしたら、彼は"(問題を)放り出して逃げる"ー行動をやめ、沈黙し、言ったことを守らない、あるいは身を引くーかもしれないと想像してしまうということを指摘しました。
ブライアンは、これらのことが起こるかもしれないと納得しました。ー彼は時々そうしたのですーしかし、またもや、彼は彼が不安に感じたときだけそうするとの主張に立ち返りました。私はしばらくたって、実は他者が彼の対極で実は不安を感じている可能性があるということを思い立ちました。


ブライアンは簡単にはこれを理解できませんでした。だから、私は立ち止まりました。私たちは彼の意識の縁、そして、その縁を断ち切る意思と能力の限界に辿り着いたのです。ここで関係してくるのは、どのように私たちは他者の攻撃性、彼らの危険さをあまりにも容易に見ることができるのかということです。しかし、それは自分自身で見ることは非常に困難です。これこそが、多くの人々が犠牲者の立場を占有する方法なのですー他の人がしたことに関しては、いつも'都合の良い'理由を見つけることができるのです。
困難なのは、全ての責任をとることです。つまり、誰か起こったことに対しての原因であるという点を理解することを意味します。そして、これは他の人を不安に感じさせる方法を含んでいるのです。これはわたしが'非美徳'と呼ぶものを認知することを必要とします(http://unvirtues.com)。これは、あなたの良い意図だけではなく、それほど徳の高くはない無意識の性格や行動さえも認識することを意味します。
そうすることは私たちは多くの自我で構成されているということを認識しようとすることを意味します。人々はこれを理論上では行うことが出来るかもしれません。しかし、実際には他の人の価値観や体験に対面したときにはーこれまでの例のようにーそうすることは非常に困難です。
ゲシュタルト心理学では、両極性について話されますー自我の分離です。一部分が意識の外に配置されます。そして、わたしたちの研究をそれを発見し、それを認知し、それを関係性の中にもたらすことです。これは心構え、意欲、そして支援を要する困難な道のりです。

2014年5月17日土曜日

Case #70 - 未知の重大さ

マニュエルが手を胸においたのに気づく。彼はナーバスだと言った。そこでは私は、セッションの一部ではナーバスになるもの、と気にしなかった。彼の灰色に色あせているズボンに気づく、そして彼自身が、白黒はっきりつけるタイプなのか、それともはっきりしないタイプなのか、と考えた。
しかにマニュエルには何かが起こっていた。悲しげで私の質問にも興味を示さない。彼が悲しみについて話すとそれは強く、より深いものになっていった。彼はとても静かであり引っ込み思案のようだった。
探ることはとても重要で、ゲスタルト手法に入ると我々は人のエネルギーに注目する。その人がここに心あらずという感じなら、集中できるように方向を変えなければならない。
マニュエルは乱暴な少年期から高校に入るまでについて語った。そしてその後は常に成績優秀だったことも。彼は周りの子供たちからの期待とそれに相反する嫉妬を感じていた。他人によるそのような見方が彼にとってはいまだに苦痛なのだった。
私は彼にいまはそんな(乱暴な子供だった)ようには見えない、まじめ人に見える、と伝えた。ここで皆の前で話す内容とその状況を結びつけることが重要で、それを我々は環境と認識と呼ぶ。
高校の前に何がその変化をもたらしたのか、と訊ねたが彼は答えられなかった。ただ彼は苦痛に感じてるように見えたので、私はいま自分が何歳のように感じているか、と訊ねた。かれは4歳、と答えると、寄宿舎付きの幼稚園に入れられたが何も記憶がない、と語った。
しばらく私たちはそこに座って、彼は心の声を聞いているかのようだった。彼の経験について聞くと、彼は心の底にある悲しみについて話した。それは他人に話すのは容易ではないと。
私は彼に私がサポートするためにここにいること、頼っていいということ、そして彼の感情に興味があることを伝えた。彼から暖かさ、安心感を感じた。もうしばらくそこにいた。何も変化はなさそうだ。彼を見たとき、ショックを受けているように感じた。彼は何が起こったのかわからなかったが、その年齢の時に何かが起こってそれが彼に影響を与えたのだと語った。
無理強いしないことが重要だ。流れていない時はそこにじっとたたずんで、何かが起こるのを待つ。待っていれば必ず変化が訪れるから。
彼は娘について話した時に生き生きとした表情になり、絶対に彼女がやりたくないことはさせない、と語った。それは彼がやりたくないことをやらされたことの裏返しであったことは明白だ。
彼は私とすわっている時にまじめそのもので、私が彼のことをまじめに考えていると伝えるとそれに対して驚いたようだった。彼は相互に話し合うことを学び始めたのだった。彼は今までずっと自分自身としか向かい合ってこなかったのに、今自分とまじめに向かい合ってくれる人がいることを感じているのだった。それだけで十分だった。問題はまだ解決すらしていなかったが。ゲスタルト手法において我々は向かい合い認識するのだ。そしてそれは変化していくものであるのだ。

2014年5月10日土曜日

Case #69 - 創造性を形に

ブリタニーは最近おなかの調子が悪く消化不良だと言う。彼女がそれを恥ずかしいと言ったので、その前にもう少し彼女を知りたいと思った。彼女は学校を経営していて一人の学生に問題があった。自分の経験から彼女に同情した。それが彼女との関係の構築につながったようだ。彼女を一緒に座ることに重苦しさを感じながらもその重苦しさをも彼女と共有した。彼女はあまりモチベーションが上がらない、とりわけ仕事に対して、と語った。今日は遅くまで仕事には行きたくない、と。そして疲労の兆候があるのだ、と。
彼女の家庭について聞くと、良好だ、と語った。息子と夫はともに彼女に感謝しまた励ましてもくれる、と。彼女は家族で物を隠すゲームについて語った。彼女は家具にタイヤをつけて自由に場所を移動できるようにしたいと語った。彼女の創造性の一面を覗いたように感じた。
ブリタニーは義理の親と過ごした数日についても語った。年老いていて、ただ食べて、寝て、カードで遊ぶだけの親。彼女は飽きてしまうとカードゲームのルールを変えようとしたが(その創造性と遊び心を指摘してあげた)ただ、彼らはルールを変えることに反対し、ますます彼女は退屈になってしまった。そしておなかの調子がおかしくなったのだと。
私たちは長いこと静かにそこに座っていた。彼女は若かれし頃のこと、(それほど話さないのだが)かつて書物を書いていたことも語った。小説を書くとしたら、どんなタイトルになるんだいと訊ねると、彼女は"たまご"と答えた。最初の数章節について聞くと、彼女は卵が孵化することについて語った。
彼女の生活の中での新しい出来事について聞いた。彼女は学校が変わってくれたらなと話した。そして彼女が友達の報告書を手伝い、どうやってその友達が仕事にありついたか、語った。幸せそうに。
彼女の中の創造性や遊び心が出てきていると伝えると、彼女もその通りと言った。
どう彼女の創造性を仕事に活かせるか、聞いた。彼女は沈黙した。そこで私は彼女とちょっとしたゲームを試みることにした。私が彼女の職場を変える創造的なアイデアについて提案をして、彼女が実現可能か答える、といったようなものだ。それをしばらく続けていると、彼女は「それは試したことがある。でも教師も学生もどうもそれには批判的で」と答えた。
まさにここが彼女がサポートを求めている点であり、共謀者を作らなきゃ、そう彼女にも伝えたが、彼女はただそれは無理、と言った。
彼女の創造性を圧迫しているのは彼女の義理の親といる時に起こったお腹の痛みだ、と伝えた。
彼女の学校への報告書を書いていると想像させてみた。どんな本格的な推薦書を彼女は作るのか。私は彼女に毎日、創造的なグループエクササイズのアイデアを思いつくように求めた。彼女は渋りながらも考えてみると言った。いつの時点でか彼女は私のカラフルな靴下に気づいた。そして彼女のカラフルな靴下と比べてみせた。そこで私はグループに「フートシー」ゲームをしようと提案した。これはすごく楽しくて学びながら彼女の創造性を表現するものだった。
このグループエクササイズで最初に感じるものは重苦しさと戸惑いである。そしてその次に創造性がくる。ゲスタルトアプローチというものは人の生活のなかにもっと感情を見出す手法である。現象学的なものなのだが、内側から外側に、現実的に、彼らが与えられた言葉に色を付けていく。サポートにも焦点を当てる、この場合、彼女は職場に持ち込むことが必要なサポートを持たなかった。彼女の強みである記述をつかって、私は彼女の夢を約束した。そして彼女自身を映し出すサポートをした。完全にゲスタルトを用いて創造性の実現は直接的で何も説明など要らなかった。重要なのはどんな問題が起こってくるか、そしてその問題に対する対応だった。最後のサポートは「許可を与える」手法だった。それは私が彼女が気づいたことについて例証するものだった。例えば靴下とか。そしてそれがいかに教室で利用できるかについて語った。

2014年5月7日水曜日

Hong Kong and China workshops coming up...

Workshops coming up:
Hong Kong 6-8 June,
Personal Growth/Spiritual Growth
- see below

Shanghai 10-15 June,
Gestalt intensive

下一个即将到来的工作坊在2014年6月10日-6月15日! 请传播。更多信息,请电133-1176-7286,电子邮件:huangjianhe@vip.163.com或访问www.zhxlw.net

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Steve Vinay Gunther : 澳大利亞利斯莫爾人,
一位在靈性路上走過了40個年頭的實修者;
一位手彈吉他情感真摯信仰『愛是一切』的吟唱者;
一位笑容可掬給人如沐浴春風般溫暖的『長輩』;
一位目光深邃眼睛裡流露著平靜與洞見的老師;
一位樸實無華卻可以將真理實相展示在你面前的完形大師。
何為靈性?如何去修行實踐? 它和心理治療的方法有何相似或不同之處?這些問題將透過審視所組成靈性和療愈的原則、實踐和體驗來進行探索和詮釋。
在工作坊中,老師將會把靈性修持的整個架構圖清晰地展示給大家,有了這張靈修地圖,我們在回歸靈性的路途上會很清楚自己在哪個階段,或哪個位置, 離目的地還有多遠。
這個工作坊是獨一無二的。它可以加深我們對自己靈性的了解,并指明怎樣去運用到與不同對象的關係中。此工作坊在過去的15年里曾在12個不同的國家開班;這是首次引入香港。
課程時間: 6月6 – 8日(10:00am – 6:00pm)
課程費用: HK$4800
上課地點: 本中心
入款帳號: 中國銀行(香港)分行: 012-5511-00-9663-6
帳戶名稱: WE CENTER (恒●慧)
注: 凡在5月15日前報名者優惠價HK$4300
本中心傾心提示: Steve Vinay Gunther 是值得推荐給朋友們的一位老師, 課程詳情請參閱附件。

2014年4月24日木曜日

Upcoming workshops in Romania

H folks.

I wanted to let you know that I will be running two workshops in Romania in May.

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Workshop #1
Host:
Societatea de Gestalt Terapie din Romania

Workshop subject:
A Gestalt approach to working with couples

City:
Bucharest

Contact:
gestaltro@yahoo.com
ph +40 (21) 319 69 52

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Workshop #2
Host:
AMURTEL Romania

Workshop subject:
Psychotherapy and spirituality

City:
Bucharest

Contact:
didi@amurtel.ro
ph +40 (744) 565 252

2014年4月18日金曜日

Case #27 - 道徳的な潔白さ

ジョンは小さな会社を経営しています。彼の悩みは、道徳心が強すぎるほど厳格なことです。たとえば、市場のような「なんでもあり」な場所でさえ、彼は強い信念を通そうとして人々に食ってかかるのです。責務を真剣に果たす、両親を尊敬する、そして伝統に従うといった彼の性格は、彼の家族とまったく同じでした。
しかし、彼はそんな性格を重荷のようにも感じていて、道徳的に潔白なことが本当に良いことかを想像してみました。もし誠実ではないこと(たとえば産業スパイを雇うといった)をしなかったとしたら、彼の商売は廃業になってしまうのではないか?
私はまず、彼がいまの世界に居て強さを感じられるかを探ってみました。しかし、この試みは彼の心を動かすには至りませんでした。現実の世界は彼を満足させていなく、同時に彼はその厳格な道徳心の枠に留まりたいからです。
そこで、私は彼に、二つの両極にあるものは何かと訊ねました。道徳心の強い歴史上の人物と「なんでもあり」な人物だと彼は答えました。
私は、彼が選んだ二人の中に順番に入って会話してみるように促しました。彼にとってそれはとても難しいことで、それぞれの役から抜け出したがっています。彼は「単純に二つを合わせることはできないの?」と言っています。しかし、統合は簡単には起こりません。
厳格な人の役の時、彼は深く長い中国の伝統に従いたいと言っているし、他の役の時は、その価値観に妥協したいと言っています。
ここでひとつ分かったことは、彼が大切にしている伝統を重んじる気持ちは、中国の文化に深く根ざした倫理的価値観だということです。
そこで私は、二つの役から外れて彼が座っていた椅子に戻り、二つの役に話してみるように提案しました。彼は伝統を深く認識すると同時に、もうひとつの役(なんでもありな性格)から何か良いことを学べるかもしれないということを認識しました。
これは彼にとって、大きな一歩でした。
私は、彼には自分で選んだ一人ではなく、二人のアドバイザーがいて力を与えてもらっているのではないかと指摘しました。
彼はそれを聞いて気分が楽になり、もう一人の新しいアドバイザーを認識することができました。
彼は、絶対に崩れることのないとても真面目な性格が人生の側面にある、ということを教えてくれました。
二人のアドバイザーがいることが分かりました。一人は彼の責任について思い出させてくれて、もう一人は無礼で無責任で楽しいこと優先する性格です。
繰り返しますが、彼は二人のアドバイザーがいることに安心感を覚えています。しかし、彼は最後の決断ができずにいます。私が彼に「楽しい性格」の人が誰か特定するよう言うと、彼のいとこだと言います。彼は当初、そのいとこを悪く思っていましたが、いまは感謝の眼差しで見ることができます。さらには、今後一緒に過ごしてみることも考え始めました。
ここで使われたのは、ゲシュタルト療法に基づいたアプローチでした。一つの価値観があれば、そこにはもう一つの正反対なものがあります。片方に偏りすぎると分裂が起きてしまいます。ゲシュタルト療法のプロセスは統合を目指すものです。単純に理性的に理解するというよりは、両方の価値観に十分に触れてみるというプロセスを経て統合は起きます。
彼のケースでは、通常の言葉を使った試みは通用しませんでした。クライアントの変化とフィードバックに責任を持って対応するのに必要だったのは、柔軟にその場で試みを変えてみることへの意欲でした。

2014年4月8日火曜日

Case #26 - ギブ・アンド・テイク

トレーシーは、一人で旅行をするのが好きな女性です。彼女は、自立した女性であることをよしとしています。彼女は数週間に一度自宅に帰り、数日間そこで過ごします。それが彼女にはちょうどよいのです。彼女には自分専用のアパートがあり、それが夫にはちょうどよいのです。なぜならば、もし彼女が高い水準の生活をしていると、それが大きな口論を必然的に引き起こしてしまうからです。
彼女は、自分の人生は自分のものであり、息子が大きくなったこともあり、家庭内の責任を持たなくてもよいと思っています。そして、彼女はいまのライフスタイルや仕事を気に入っています。
ところが、彼女には家に居るとすぐにパニックになるという悩みがあります。
私は彼女に、両親のことについて深く話を聴いてみました。彼女が小さかった時、母親はたくさんの子どもたちの世話で忙しく、父親は彼女を愛していたけれど、男の子のように振る舞うと何らかの特別扱いをしていました。彼女が注目されるには、プレッシャーを感じながら男の子のように振る舞うか、よい子を演じなければなりませんでした。最も重要な点は、注目されるか、そうでない時は自由であるという「どちらか」でしかなく、中間は存在しないということです。
次に私は、夫との関係についてあることを試みました。
私たちは立って顔を合わせました。そして、手で丸い形を作るというジェスチャーをしました。それは注目されたいという意味です。手で押しのけるジェスチャーは自由を意味します。
彼女はすぐに動揺しました。彼女は注目されたいというジェスチャーをすると、プレッシャーを感じ、パニックになってしまいます。
私は、彼女が夫から注目されて自然にいられるのを、どのくらいの頻度で感じたいかを尋ねました。彼女はもっと自由を感じたいと言いました。私は、義務感なくいられるのはどのくらいの頻度かを尋ねました。彼女は年に2回ほどで、数日間と答え、他の時間は自分のために使いたいと言いました。
これは、私自身の人間関係には当てはまりませんでしたが、彼女が望むものとして受け入れてみることにしました。
ワークはそこから始めました。彼女が注目されたいのはとても短い時間で、それが過ぎると自由が欲しいという立場になります。彼女は、彼から注目されると不快だと言います。
私はその状況を再現してみることにしました。私が夫の役になり、注目されたいというジェスチャーをしました。彼女はすぐにその手を強くはねのけました。
すると、腹立たしさがこみあげてきました。彼が彼女と一緒に居るときは、彼は彼女から何かを欲しがります。そして、彼女はいつも何かを与え、決して何かをもらうことはありません。そのことが原因で彼女の怒りがこみあげ、何度となく同じことが起きてしまうのです。彼女がはねのけると彼は欲しがり、彼女はもっとはねのける…というように。
私はもう一つの手、すなわち何かを与える手を加えてみることを提案しました。明らかに彼女は、これ以上何かを与えることができません。私は夫の役に「与える手」を加えました。そして、彼女に注目して欲しくて、受け取る役をしてもらいました。
彼女が与える役をすると、怒りがこみあげてきました。彼女は彼から何も受け取ったことがないと感じていて、それが何年ものあいだに渡って続いていました。
言うまでもなく、私は彼女に「いま、ここ」を感じてもらい、怒りを表現し終わってから「与えてもらうこと」をするように提案しました。彼女は賛成しました。すると、彼女は受け取ることに深く感動しました。しかし、すぐに彼女は不安になりました。なぜなら、受け取ることへの代償は与えることを意味していて、彼女はそれを恐いと感じているからです。
与えることと与えられることのサイクルと、その深い側面があらわになりました。
私はワークのやり方を変えてみるという提案をしました。私が彼女に与え、彼女が受け取る。不快を感じたら、いつでも役割を交換できます。彼女が快適でいられる範囲で与えられたものを返し(私が受け取り)「借りていること」から開放されるということをしてみました。
ワークを進めると、彼女がそれを繰り返すリズムがとても速くなってきました。それぞれの役で、ほんの数秒という速さです。彼女はこのやりとりを快適に感じていて、どちらの役でも必要以上にそこに留まることはありませんでした。
この経験は彼女に深い洞察力を与え、彼女が待ち望んでいたけれど、完全に諦めていたものを経験することに繋がりました。
大切なのは置かれた状況を「治す」とか「治療する」ということではなく、自覚しながら冒険してみることなのです。結果として彼女自身やその背景、そして与えることと受け取ることに対して、より深い自覚と経験が生まれました。
ゲシュタルト療法の試みにおいて、このような新しい経験は「解決法」ではなく、何が可能かという提案をして経験を促すものです。その結果として、個人の世界は広がります。それはまた、いままでの環境にはなかったものを経験することで、癒しの経験ともなります。
このワークのプロセスは、彼女の問題の背景を探ることから始まりました。問題の本質が分かると「いま、ここ」を感じる試みをしました。それを可能にするには「○○をすべき」といった考えに捉われず、彼女のリズムで進める必要がありました。
私自身をワークの参加者として使うことは、彼女がどの位置にいるか、何を必要としているかを見つけることができる上に、彼女自身の中にある本質に直接触れて、真相を経験することを意味します。
そこには、もうひとつの試みもありました。私が「与える」という3つ目のジェスチャーを加えたことです。それは、彼女にとって明らかに欠けていたことであり、大きな影響を与える要素でした。大きな代償を払うことなく「与える」という経験を通して、彼女は「与えられた」ということも経験しました。

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