2014年5月17日土曜日
Case #70 - 未知の重大さ
マニュエルが手を胸においたのに気づく。彼はナーバスだと言った。そこでは私は、セッションの一部ではナーバスになるもの、と気にしなかった。彼の灰色に色あせているズボンに気づく、そして彼自身が、白黒はっきりつけるタイプなのか、それともはっきりしないタイプなのか、と考えた。
しかにマニュエルには何かが起こっていた。悲しげで私の質問にも興味を示さない。彼が悲しみについて話すとそれは強く、より深いものになっていった。彼はとても静かであり引っ込み思案のようだった。
探ることはとても重要で、ゲスタルト手法に入ると我々は人のエネルギーに注目する。その人がここに心あらずという感じなら、集中できるように方向を変えなければならない。
マニュエルは乱暴な少年期から高校に入るまでについて語った。そしてその後は常に成績優秀だったことも。彼は周りの子供たちからの期待とそれに相反する嫉妬を感じていた。他人によるそのような見方が彼にとってはいまだに苦痛なのだった。
私は彼にいまはそんな(乱暴な子供だった)ようには見えない、まじめ人に見える、と伝えた。ここで皆の前で話す内容とその状況を結びつけることが重要で、それを我々は環境と認識と呼ぶ。
高校の前に何がその変化をもたらしたのか、と訊ねたが彼は答えられなかった。ただ彼は苦痛に感じてるように見えたので、私はいま自分が何歳のように感じているか、と訊ねた。かれは4歳、と答えると、寄宿舎付きの幼稚園に入れられたが何も記憶がない、と語った。
しばらく私たちはそこに座って、彼は心の声を聞いているかのようだった。彼の経験について聞くと、彼は心の底にある悲しみについて話した。それは他人に話すのは容易ではないと。
私は彼に私がサポートするためにここにいること、頼っていいということ、そして彼の感情に興味があることを伝えた。彼から暖かさ、安心感を感じた。もうしばらくそこにいた。何も変化はなさそうだ。彼を見たとき、ショックを受けているように感じた。彼は何が起こったのかわからなかったが、その年齢の時に何かが起こってそれが彼に影響を与えたのだと語った。
無理強いしないことが重要だ。流れていない時はそこにじっとたたずんで、何かが起こるのを待つ。待っていれば必ず変化が訪れるから。
彼は娘について話した時に生き生きとした表情になり、絶対に彼女がやりたくないことはさせない、と語った。それは彼がやりたくないことをやらされたことの裏返しであったことは明白だ。
彼は私とすわっている時にまじめそのもので、私が彼のことをまじめに考えていると伝えるとそれに対して驚いたようだった。彼は相互に話し合うことを学び始めたのだった。彼は今までずっと自分自身としか向かい合ってこなかったのに、今自分とまじめに向かい合ってくれる人がいることを感じているのだった。それだけで十分だった。問題はまだ解決すらしていなかったが。ゲスタルト手法において我々は向かい合い認識するのだ。そしてそれは変化していくものであるのだ。
しかにマニュエルには何かが起こっていた。悲しげで私の質問にも興味を示さない。彼が悲しみについて話すとそれは強く、より深いものになっていった。彼はとても静かであり引っ込み思案のようだった。
探ることはとても重要で、ゲスタルト手法に入ると我々は人のエネルギーに注目する。その人がここに心あらずという感じなら、集中できるように方向を変えなければならない。
マニュエルは乱暴な少年期から高校に入るまでについて語った。そしてその後は常に成績優秀だったことも。彼は周りの子供たちからの期待とそれに相反する嫉妬を感じていた。他人によるそのような見方が彼にとってはいまだに苦痛なのだった。
私は彼にいまはそんな(乱暴な子供だった)ようには見えない、まじめ人に見える、と伝えた。ここで皆の前で話す内容とその状況を結びつけることが重要で、それを我々は環境と認識と呼ぶ。
高校の前に何がその変化をもたらしたのか、と訊ねたが彼は答えられなかった。ただ彼は苦痛に感じてるように見えたので、私はいま自分が何歳のように感じているか、と訊ねた。かれは4歳、と答えると、寄宿舎付きの幼稚園に入れられたが何も記憶がない、と語った。
しばらく私たちはそこに座って、彼は心の声を聞いているかのようだった。彼の経験について聞くと、彼は心の底にある悲しみについて話した。それは他人に話すのは容易ではないと。
私は彼に私がサポートするためにここにいること、頼っていいということ、そして彼の感情に興味があることを伝えた。彼から暖かさ、安心感を感じた。もうしばらくそこにいた。何も変化はなさそうだ。彼を見たとき、ショックを受けているように感じた。彼は何が起こったのかわからなかったが、その年齢の時に何かが起こってそれが彼に影響を与えたのだと語った。
無理強いしないことが重要だ。流れていない時はそこにじっとたたずんで、何かが起こるのを待つ。待っていれば必ず変化が訪れるから。
彼は娘について話した時に生き生きとした表情になり、絶対に彼女がやりたくないことはさせない、と語った。それは彼がやりたくないことをやらされたことの裏返しであったことは明白だ。
彼は私とすわっている時にまじめそのもので、私が彼のことをまじめに考えていると伝えるとそれに対して驚いたようだった。彼は相互に話し合うことを学び始めたのだった。彼は今までずっと自分自身としか向かい合ってこなかったのに、今自分とまじめに向かい合ってくれる人がいることを感じているのだった。それだけで十分だった。問題はまだ解決すらしていなかったが。ゲスタルト手法において我々は向かい合い認識するのだ。そしてそれは変化していくものであるのだ。
2014年5月10日土曜日
Case #69 - 創造性を形に

ブリタニーは最近おなかの調子が悪く消化不良だと言う。彼女がそれを恥ずかしいと言ったので、その前にもう少し彼女を知りたいと思った。彼女は学校を経営していて一人の学生に問題があった。自分の経験から彼女に同情した。それが彼女との関係の構築につながったようだ。彼女を一緒に座ることに重苦しさを感じながらもその重苦しさをも彼女と共有した。彼女はあまりモチベーションが上がらない、とりわけ仕事に対して、と語った。今日は遅くまで仕事には行きたくない、と。そして疲労の兆候があるのだ、と。
彼女の家庭について聞くと、良好だ、と語った。息子と夫はともに彼女に感謝しまた励ましてもくれる、と。彼女は家族で物を隠すゲームについて語った。彼女は家具にタイヤをつけて自由に場所を移動できるようにしたいと語った。彼女の創造性の一面を覗いたように感じた。
ブリタニーは義理の親と過ごした数日についても語った。年老いていて、ただ食べて、寝て、カードで遊ぶだけの親。彼女は飽きてしまうとカードゲームのルールを変えようとしたが(その創造性と遊び心を指摘してあげた)ただ、彼らはルールを変えることに反対し、ますます彼女は退屈になってしまった。そしておなかの調子がおかしくなったのだと。
私たちは長いこと静かにそこに座っていた。彼女は若かれし頃のこと、(それほど話さないのだが)かつて書物を書いていたことも語った。小説を書くとしたら、どんなタイトルになるんだいと訊ねると、彼女は"たまご"と答えた。最初の数章節について聞くと、彼女は卵が孵化することについて語った。
彼女の生活の中での新しい出来事について聞いた。彼女は学校が変わってくれたらなと話した。そして彼女が友達の報告書を手伝い、どうやってその友達が仕事にありついたか、語った。幸せそうに。
彼女の中の創造性や遊び心が出てきていると伝えると、彼女もその通りと言った。
どう彼女の創造性を仕事に活かせるか、聞いた。彼女は沈黙した。そこで私は彼女とちょっとしたゲームを試みることにした。私が彼女の職場を変える創造的なアイデアについて提案をして、彼女が実現可能か答える、といったようなものだ。それをしばらく続けていると、彼女は「それは試したことがある。でも教師も学生もどうもそれには批判的で」と答えた。
まさにここが彼女がサポートを求めている点であり、共謀者を作らなきゃ、そう彼女にも伝えたが、彼女はただそれは無理、と言った。
彼女の創造性を圧迫しているのは彼女の義理の親といる時に起こったお腹の痛みだ、と伝えた。
彼女の学校への報告書を書いていると想像させてみた。どんな本格的な推薦書を彼女は作るのか。私は彼女に毎日、創造的なグループエクササイズのアイデアを思いつくように求めた。彼女は渋りながらも考えてみると言った。いつの時点でか彼女は私のカラフルな靴下に気づいた。そして彼女のカラフルな靴下と比べてみせた。そこで私はグループに「フートシー」ゲームをしようと提案した。これはすごく楽しくて学びながら彼女の創造性を表現するものだった。
このグループエクササイズで最初に感じるものは重苦しさと戸惑いである。そしてその次に創造性がくる。ゲスタルトアプローチというものは人の生活のなかにもっと感情を見出す手法である。現象学的なものなのだが、内側から外側に、現実的に、彼らが与えられた言葉に色を付けていく。サポートにも焦点を当てる、この場合、彼女は職場に持ち込むことが必要なサポートを持たなかった。彼女の強みである記述をつかって、私は彼女の夢を約束した。そして彼女自身を映し出すサポートをした。完全にゲスタルトを用いて創造性の実現は直接的で何も説明など要らなかった。重要なのはどんな問題が起こってくるか、そしてその問題に対する対応だった。最後のサポートは「許可を与える」手法だった。それは私が彼女が気づいたことについて例証するものだった。例えば靴下とか。そしてそれがいかに教室で利用できるかについて語った。
彼女の家庭について聞くと、良好だ、と語った。息子と夫はともに彼女に感謝しまた励ましてもくれる、と。彼女は家族で物を隠すゲームについて語った。彼女は家具にタイヤをつけて自由に場所を移動できるようにしたいと語った。彼女の創造性の一面を覗いたように感じた。
ブリタニーは義理の親と過ごした数日についても語った。年老いていて、ただ食べて、寝て、カードで遊ぶだけの親。彼女は飽きてしまうとカードゲームのルールを変えようとしたが(その創造性と遊び心を指摘してあげた)ただ、彼らはルールを変えることに反対し、ますます彼女は退屈になってしまった。そしておなかの調子がおかしくなったのだと。
私たちは長いこと静かにそこに座っていた。彼女は若かれし頃のこと、(それほど話さないのだが)かつて書物を書いていたことも語った。小説を書くとしたら、どんなタイトルになるんだいと訊ねると、彼女は"たまご"と答えた。最初の数章節について聞くと、彼女は卵が孵化することについて語った。
彼女の生活の中での新しい出来事について聞いた。彼女は学校が変わってくれたらなと話した。そして彼女が友達の報告書を手伝い、どうやってその友達が仕事にありついたか、語った。幸せそうに。
彼女の中の創造性や遊び心が出てきていると伝えると、彼女もその通りと言った。
どう彼女の創造性を仕事に活かせるか、聞いた。彼女は沈黙した。そこで私は彼女とちょっとしたゲームを試みることにした。私が彼女の職場を変える創造的なアイデアについて提案をして、彼女が実現可能か答える、といったようなものだ。それをしばらく続けていると、彼女は「それは試したことがある。でも教師も学生もどうもそれには批判的で」と答えた。
まさにここが彼女がサポートを求めている点であり、共謀者を作らなきゃ、そう彼女にも伝えたが、彼女はただそれは無理、と言った。
彼女の創造性を圧迫しているのは彼女の義理の親といる時に起こったお腹の痛みだ、と伝えた。
彼女の学校への報告書を書いていると想像させてみた。どんな本格的な推薦書を彼女は作るのか。私は彼女に毎日、創造的なグループエクササイズのアイデアを思いつくように求めた。彼女は渋りながらも考えてみると言った。いつの時点でか彼女は私のカラフルな靴下に気づいた。そして彼女のカラフルな靴下と比べてみせた。そこで私はグループに「フートシー」ゲームをしようと提案した。これはすごく楽しくて学びながら彼女の創造性を表現するものだった。
このグループエクササイズで最初に感じるものは重苦しさと戸惑いである。そしてその次に創造性がくる。ゲスタルトアプローチというものは人の生活のなかにもっと感情を見出す手法である。現象学的なものなのだが、内側から外側に、現実的に、彼らが与えられた言葉に色を付けていく。サポートにも焦点を当てる、この場合、彼女は職場に持ち込むことが必要なサポートを持たなかった。彼女の強みである記述をつかって、私は彼女の夢を約束した。そして彼女自身を映し出すサポートをした。完全にゲスタルトを用いて創造性の実現は直接的で何も説明など要らなかった。重要なのはどんな問題が起こってくるか、そしてその問題に対する対応だった。最後のサポートは「許可を与える」手法だった。それは私が彼女が気づいたことについて例証するものだった。例えば靴下とか。そしてそれがいかに教室で利用できるかについて語った。
2014年5月7日水曜日
Hong Kong and China workshops coming up...
Workshops coming up:
Hong Kong 6-8 June,
Personal Growth/Spiritual Growth
- see below
Shanghai 10-15 June,
Gestalt intensive
下一个即将到来的工作坊在2014年6月10日-6月15日! 请传播。更多信息,请电133-1176-7286,电子邮件:huangjianhe@vip.163.com或访问www.zhxlw.net
-----------------------------------------------------
Steve Vinay Gunther : 澳大利亞利斯莫爾人,
一位在靈性路上走過了40個年頭的實修者;
一位手彈吉他情感真摯信仰『愛是一切』的吟唱者;
一位笑容可掬給人如沐浴春風般溫暖的『長輩』;
一位目光深邃眼睛裡流露著平靜與洞見的老師;
一位樸實無華卻可以將真理實相展示在你面前的完形大師。
何為靈性?如何去修行實踐? 它和心理治療的方法有何相似或不同之處?這些問題將透過審視所組成靈性和療愈的原則、實踐和體驗來進行探索和詮釋。
在工作坊中,老師將會把靈性修持的整個架構圖清晰地展示給大家,有了這張靈修地圖,我們在回歸靈性的路途上會很清楚自己在哪個階段,或哪個位置, 離目的地還有多遠。
這個工作坊是獨一無二的。它可以加深我們對自己靈性的了解,并指明怎樣去運用到與不同對象的關係中。此工作坊在過去的15年里曾在12個不同的國家開班;這是首次引入香港。
課程時間: 6月6 – 8日(10:00am – 6:00pm)
課程費用: HK$4800
上課地點: 本中心
入款帳號: 中國銀行(香港)分行: 012-5511-00-9663-6
帳戶名稱: WE CENTER (恒●慧)
注: 凡在5月15日前報名者優惠價HK$4300
本中心傾心提示: Steve Vinay Gunther 是值得推荐給朋友們的一位老師, 課程詳情請參閱附件。
Hong Kong 6-8 June,
Personal Growth/Spiritual Growth
- see below
Shanghai 10-15 June,
Gestalt intensive
下一个即将到来的工作坊在2014年6月10日-6月15日! 请传播。更多信息,请电133-1176-7286,电子邮件:huangjianhe@vip.163.com或访问www.zhxlw.net
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Steve Vinay Gunther : 澳大利亞利斯莫爾人,
一位在靈性路上走過了40個年頭的實修者;
一位手彈吉他情感真摯信仰『愛是一切』的吟唱者;
一位笑容可掬給人如沐浴春風般溫暖的『長輩』;
一位目光深邃眼睛裡流露著平靜與洞見的老師;
一位樸實無華卻可以將真理實相展示在你面前的完形大師。
何為靈性?如何去修行實踐? 它和心理治療的方法有何相似或不同之處?這些問題將透過審視所組成靈性和療愈的原則、實踐和體驗來進行探索和詮釋。
在工作坊中,老師將會把靈性修持的整個架構圖清晰地展示給大家,有了這張靈修地圖,我們在回歸靈性的路途上會很清楚自己在哪個階段,或哪個位置, 離目的地還有多遠。
這個工作坊是獨一無二的。它可以加深我們對自己靈性的了解,并指明怎樣去運用到與不同對象的關係中。此工作坊在過去的15年里曾在12個不同的國家開班;這是首次引入香港。
課程時間: 6月6 – 8日(10:00am – 6:00pm)
課程費用: HK$4800
上課地點: 本中心
入款帳號: 中國銀行(香港)分行: 012-5511-00-9663-6
帳戶名稱: WE CENTER (恒●慧)
注: 凡在5月15日前報名者優惠價HK$4300
本中心傾心提示: Steve Vinay Gunther 是值得推荐給朋友們的一位老師, 課程詳情請參閱附件。
2014年4月24日木曜日
Upcoming workshops in Romania
H folks.
I wanted to let you know that I will be running two workshops in Romania in May.
-------------------------------------------------------
Workshop #1
Host:
Societatea de Gestalt Terapie din Romania
Workshop subject:
A Gestalt approach to working with couples
City:
Bucharest
Contact:
gestaltro@yahoo.com
ph +40 (21) 319 69 52
-------------------------------------------------------
Workshop #2
Host:
AMURTEL Romania
Workshop subject:
Psychotherapy and spirituality
City:
Bucharest
Contact:
didi@amurtel.ro
ph +40 (744) 565 252
I wanted to let you know that I will be running two workshops in Romania in May.
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Workshop #1
Host:
Societatea de Gestalt Terapie din Romania
Workshop subject:
A Gestalt approach to working with couples
City:
Bucharest
Contact:
gestaltro@yahoo.com
ph +40 (21) 319 69 52
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Workshop #2
Host:
AMURTEL Romania
Workshop subject:
Psychotherapy and spirituality
City:
Bucharest
Contact:
didi@amurtel.ro
ph +40 (744) 565 252
2014年4月18日金曜日
Case #27 - 道徳的な潔白さ
ジョンは小さな会社を経営しています。彼の悩みは、道徳心が強すぎるほど厳格なことです。たとえば、市場のような「なんでもあり」な場所でさえ、彼は強い信念を通そうとして人々に食ってかかるのです。責務を真剣に果たす、両親を尊敬する、そして伝統に従うといった彼の性格は、彼の家族とまったく同じでした。
しかし、彼はそんな性格を重荷のようにも感じていて、道徳的に潔白なことが本当に良いことかを想像してみました。もし誠実ではないこと(たとえば産業スパイを雇うといった)をしなかったとしたら、彼の商売は廃業になってしまうのではないか?
私はまず、彼がいまの世界に居て強さを感じられるかを探ってみました。しかし、この試みは彼の心を動かすには至りませんでした。現実の世界は彼を満足させていなく、同時に彼はその厳格な道徳心の枠に留まりたいからです。
そこで、私は彼に、二つの両極にあるものは何かと訊ねました。道徳心の強い歴史上の人物と「なんでもあり」な人物だと彼は答えました。
私は、彼が選んだ二人の中に順番に入って会話してみるように促しました。彼にとってそれはとても難しいことで、それぞれの役から抜け出したがっています。彼は「単純に二つを合わせることはできないの?」と言っています。しかし、統合は簡単には起こりません。
厳格な人の役の時、彼は深く長い中国の伝統に従いたいと言っているし、他の役の時は、その価値観に妥協したいと言っています。
ここでひとつ分かったことは、彼が大切にしている伝統を重んじる気持ちは、中国の文化に深く根ざした倫理的価値観だということです。
そこで私は、二つの役から外れて彼が座っていた椅子に戻り、二つの役に話してみるように提案しました。彼は伝統を深く認識すると同時に、もうひとつの役(なんでもありな性格)から何か良いことを学べるかもしれないということを認識しました。
これは彼にとって、大きな一歩でした。
私は、彼には自分で選んだ一人ではなく、二人のアドバイザーがいて力を与えてもらっているのではないかと指摘しました。
彼はそれを聞いて気分が楽になり、もう一人の新しいアドバイザーを認識することができました。
彼は、絶対に崩れることのないとても真面目な性格が人生の側面にある、ということを教えてくれました。
二人のアドバイザーがいることが分かりました。一人は彼の責任について思い出させてくれて、もう一人は無礼で無責任で楽しいこと優先する性格です。
繰り返しますが、彼は二人のアドバイザーがいることに安心感を覚えています。しかし、彼は最後の決断ができずにいます。私が彼に「楽しい性格」の人が誰か特定するよう言うと、彼のいとこだと言います。彼は当初、そのいとこを悪く思っていましたが、いまは感謝の眼差しで見ることができます。さらには、今後一緒に過ごしてみることも考え始めました。
ここで使われたのは、ゲシュタルト療法に基づいたアプローチでした。一つの価値観があれば、そこにはもう一つの正反対なものがあります。片方に偏りすぎると分裂が起きてしまいます。ゲシュタルト療法のプロセスは統合を目指すものです。単純に理性的に理解するというよりは、両方の価値観に十分に触れてみるというプロセスを経て統合は起きます。
彼のケースでは、通常の言葉を使った試みは通用しませんでした。クライアントの変化とフィードバックに責任を持って対応するのに必要だったのは、柔軟にその場で試みを変えてみることへの意欲でした。
しかし、彼はそんな性格を重荷のようにも感じていて、道徳的に潔白なことが本当に良いことかを想像してみました。もし誠実ではないこと(たとえば産業スパイを雇うといった)をしなかったとしたら、彼の商売は廃業になってしまうのではないか?
私はまず、彼がいまの世界に居て強さを感じられるかを探ってみました。しかし、この試みは彼の心を動かすには至りませんでした。現実の世界は彼を満足させていなく、同時に彼はその厳格な道徳心の枠に留まりたいからです。
そこで、私は彼に、二つの両極にあるものは何かと訊ねました。道徳心の強い歴史上の人物と「なんでもあり」な人物だと彼は答えました。
私は、彼が選んだ二人の中に順番に入って会話してみるように促しました。彼にとってそれはとても難しいことで、それぞれの役から抜け出したがっています。彼は「単純に二つを合わせることはできないの?」と言っています。しかし、統合は簡単には起こりません。
厳格な人の役の時、彼は深く長い中国の伝統に従いたいと言っているし、他の役の時は、その価値観に妥協したいと言っています。
ここでひとつ分かったことは、彼が大切にしている伝統を重んじる気持ちは、中国の文化に深く根ざした倫理的価値観だということです。
そこで私は、二つの役から外れて彼が座っていた椅子に戻り、二つの役に話してみるように提案しました。彼は伝統を深く認識すると同時に、もうひとつの役(なんでもありな性格)から何か良いことを学べるかもしれないということを認識しました。
これは彼にとって、大きな一歩でした。
私は、彼には自分で選んだ一人ではなく、二人のアドバイザーがいて力を与えてもらっているのではないかと指摘しました。
彼はそれを聞いて気分が楽になり、もう一人の新しいアドバイザーを認識することができました。
彼は、絶対に崩れることのないとても真面目な性格が人生の側面にある、ということを教えてくれました。
二人のアドバイザーがいることが分かりました。一人は彼の責任について思い出させてくれて、もう一人は無礼で無責任で楽しいこと優先する性格です。
繰り返しますが、彼は二人のアドバイザーがいることに安心感を覚えています。しかし、彼は最後の決断ができずにいます。私が彼に「楽しい性格」の人が誰か特定するよう言うと、彼のいとこだと言います。彼は当初、そのいとこを悪く思っていましたが、いまは感謝の眼差しで見ることができます。さらには、今後一緒に過ごしてみることも考え始めました。
ここで使われたのは、ゲシュタルト療法に基づいたアプローチでした。一つの価値観があれば、そこにはもう一つの正反対なものがあります。片方に偏りすぎると分裂が起きてしまいます。ゲシュタルト療法のプロセスは統合を目指すものです。単純に理性的に理解するというよりは、両方の価値観に十分に触れてみるというプロセスを経て統合は起きます。
彼のケースでは、通常の言葉を使った試みは通用しませんでした。クライアントの変化とフィードバックに責任を持って対応するのに必要だったのは、柔軟にその場で試みを変えてみることへの意欲でした。
2014年4月8日火曜日
Case #26 - ギブ・アンド・テイク
彼女は、自分の人生は自分のものであり、息子が大きくなったこともあり、家庭内の責任を持たなくてもよいと思っています。そして、彼女はいまのライフスタイルや仕事を気に入っています。
ところが、彼女には家に居るとすぐにパニックになるという悩みがあります。
私は彼女に、両親のことについて深く話を聴いてみました。彼女が小さかった時、母親はたくさんの子どもたちの世話で忙しく、父親は彼女を愛していたけれど、男の子のように振る舞うと何らかの特別扱いをしていました。彼女が注目されるには、プレッシャーを感じながら男の子のように振る舞うか、よい子を演じなければなりませんでした。最も重要な点は、注目されるか、そうでない時は自由であるという「どちらか」でしかなく、中間は存在しないということです。
次に私は、夫との関係についてあることを試みました。
私たちは立って顔を合わせました。そして、手で丸い形を作るというジェスチャーをしました。それは注目されたいという意味です。手で押しのけるジェスチャーは自由を意味します。
彼女はすぐに動揺しました。彼女は注目されたいというジェスチャーをすると、プレッシャーを感じ、パニックになってしまいます。
私は、彼女が夫から注目されて自然にいられるのを、どのくらいの頻度で感じたいかを尋ねました。彼女はもっと自由を感じたいと言いました。私は、義務感なくいられるのはどのくらいの頻度かを尋ねました。彼女は年に2回ほどで、数日間と答え、他の時間は自分のために使いたいと言いました。
これは、私自身の人間関係には当てはまりませんでしたが、彼女が望むものとして受け入れてみることにしました。
ワークはそこから始めました。彼女が注目されたいのはとても短い時間で、それが過ぎると自由が欲しいという立場になります。彼女は、彼から注目されると不快だと言います。
私はその状況を再現してみることにしました。私が夫の役になり、注目されたいというジェスチャーをしました。彼女はすぐにその手を強くはねのけました。
すると、腹立たしさがこみあげてきました。彼が彼女と一緒に居るときは、彼は彼女から何かを欲しがります。そして、彼女はいつも何かを与え、決して何かをもらうことはありません。そのことが原因で彼女の怒りがこみあげ、何度となく同じことが起きてしまうのです。彼女がはねのけると彼は欲しがり、彼女はもっとはねのける…というように。
私はもう一つの手、すなわち何かを与える手を加えてみることを提案しました。明らかに彼女は、これ以上何かを与えることができません。私は夫の役に「与える手」を加えました。そして、彼女に注目して欲しくて、受け取る役をしてもらいました。
彼女が与える役をすると、怒りがこみあげてきました。彼女は彼から何も受け取ったことがないと感じていて、それが何年ものあいだに渡って続いていました。
言うまでもなく、私は彼女に「いま、ここ」を感じてもらい、怒りを表現し終わってから「与えてもらうこと」をするように提案しました。彼女は賛成しました。すると、彼女は受け取ることに深く感動しました。しかし、すぐに彼女は不安になりました。なぜなら、受け取ることへの代償は与えることを意味していて、彼女はそれを恐いと感じているからです。
与えることと与えられることのサイクルと、その深い側面があらわになりました。
私はワークのやり方を変えてみるという提案をしました。私が彼女に与え、彼女が受け取る。不快を感じたら、いつでも役割を交換できます。彼女が快適でいられる範囲で与えられたものを返し(私が受け取り)「借りていること」から開放されるということをしてみました。
ワークを進めると、彼女がそれを繰り返すリズムがとても速くなってきました。それぞれの役で、ほんの数秒という速さです。彼女はこのやりとりを快適に感じていて、どちらの役でも必要以上にそこに留まることはありませんでした。
この経験は彼女に深い洞察力を与え、彼女が待ち望んでいたけれど、完全に諦めていたものを経験することに繋がりました。
大切なのは置かれた状況を「治す」とか「治療する」ということではなく、自覚しながら冒険してみることなのです。結果として彼女自身やその背景、そして与えることと受け取ることに対して、より深い自覚と経験が生まれました。
ゲシュタルト療法の試みにおいて、このような新しい経験は「解決法」ではなく、何が可能かという提案をして経験を促すものです。その結果として、個人の世界は広がります。それはまた、いままでの環境にはなかったものを経験することで、癒しの経験ともなります。
このワークのプロセスは、彼女の問題の背景を探ることから始まりました。問題の本質が分かると「いま、ここ」を感じる試みをしました。それを可能にするには「○○をすべき」といった考えに捉われず、彼女のリズムで進める必要がありました。
私自身をワークの参加者として使うことは、彼女がどの位置にいるか、何を必要としているかを見つけることができる上に、彼女自身の中にある本質に直接触れて、真相を経験することを意味します。
そこには、もうひとつの試みもありました。私が「与える」という3つ目のジェスチャーを加えたことです。それは、彼女にとって明らかに欠けていたことであり、大きな影響を与える要素でした。大きな代償を払うことなく「与える」という経験を通して、彼女は「与えられた」ということも経験しました。
2014年2月19日水曜日
ケース#25 一万本の矢
メアリーは、これまで2回の離婚経験があります。現在は、前の夫とまた生活を共にしています。彼はメアリーの息子の父親でもあります。
私は、その経緯を尋ねました。
二人は会社を経営していましたが、お互いのやり方に納得がいきませんでした。月日が流れるうちに、夫は彼女に対して暴力を振るうようになりました。それは何年もの間に渡って続きました。
夫は彼女に離婚を迫り、その後、会社のある従業員に恋愛関係を求めていました。
その女性に拒否されると、彼はメアリーに再婚を申し入れ、彼女はそれを受け入れました。
すると夫は、また暴力を振るうようになりました。
何年か過ぎ、とうとう彼女は暴力に耐えられなくなり、離婚しました。
数年後、メアリーと彼は再び生活を共にするようになり、今回は暴力を振るわれていません。彼女はいまの関係に納得していて、そのことで不幸と感じることはありません。
しかし、この話をしていると、案の定、彼女は心の痛みを感じ始めました。
私は彼女に、どのようにして生きてきたかを尋ねました。彼女は、彼女の母と祖母が暴力こそなかったけれど、夫婦関係において辛く生きてきたことを思い出しました。
私は彼女に、何を感じているかを尋ねました。彼女は「一万本の矢が心臓に刺さっているようだわ」と答えました。
私は彼女の心に痛みがあることを認め、彼女以外の誰かに問題があることを言うよりも、彼女が置かれた環境が彼女に与えた影響について気遣いました。
私は彼女に、男性である私と話すのはどう感じるか尋ねました。彼女は安心だと答えました。
私は彼女にこう伝えました。その矢は男性が刺したものです。男性として私がその矢を外すお手伝いがしたい。
そこで、私は彼女の完全なる了解のもと、彼女に向ってゆっくりと歩いていき、一歩進むごとに一本ずつ矢を抜くというワークを提案しました。
私はそのワークを始めました。抜いた矢を床に置いて、どれだけ彼女の心が痛んでいたかを認識していると伝えました。
私は彼女が、何を感じているか聞いてみました。彼女は痛みを伴う感情を覚えていましたが、同時に彼女の心の琴線に深く触れ、少し解放されたと教えてくれました。
最後に私は、彼女に三本の矢を使った儀式をしてみるよう勧めました。彼女が受け入れられる範囲の儀式です。彼女は矢を埋めるという儀式を選びました。
そこで、私は彼女に空想のストーリーを伝えました。私たち二人は旅に出かけました。森の中に入り矢を埋めました。これらの矢があったという事実を認め、その上で地中に葬るというものです。
この体験の最後は、彼女に明るさを与えるものであり、本当にその儀式を見聞きしているかのようでした。
私は彼女に宿題を出しました。それは、いま行った儀式という名のワークを、毎日三本ずつ矢の数を増やして一日に一回行うというものです。
このワークでは、最初に彼女の背景をより深く理解するために、彼女の心の地図を描きました。そして私は、自分が男性である事実をヒーリングの手順に盛り込みました。私はそれぞれの過程で、ゆっくりと、しかも多くの選択肢をもたらしながらワークを進めました。
私は彼女が口にした、たくさんの矢という例えを本気で取り扱いました。このワークの大切な要素は、何本の矢が抜かれたかということではなく、心の痛みが永久的にそのままにしておくということでもなく、むしろ矢を抜くというプロセスの始まりが、彼女の心に変化をもたらすということでした。いま彼女は自分自身と向き合う方法を身につけました。
ここで用いられたゲシュタルト療法の試みは、彼女の口から提供されたものと言葉を、直接的に扱うというものです。私と彼女の関係が築かれたことにより、一連のワークが成立しています。
私は、その経緯を尋ねました。
二人は会社を経営していましたが、お互いのやり方に納得がいきませんでした。月日が流れるうちに、夫は彼女に対して暴力を振るうようになりました。それは何年もの間に渡って続きました。
夫は彼女に離婚を迫り、その後、会社のある従業員に恋愛関係を求めていました。
その女性に拒否されると、彼はメアリーに再婚を申し入れ、彼女はそれを受け入れました。
すると夫は、また暴力を振るうようになりました。
何年か過ぎ、とうとう彼女は暴力に耐えられなくなり、離婚しました。
数年後、メアリーと彼は再び生活を共にするようになり、今回は暴力を振るわれていません。彼女はいまの関係に納得していて、そのことで不幸と感じることはありません。
しかし、この話をしていると、案の定、彼女は心の痛みを感じ始めました。
私は彼女に、どのようにして生きてきたかを尋ねました。彼女は、彼女の母と祖母が暴力こそなかったけれど、夫婦関係において辛く生きてきたことを思い出しました。
私は彼女に、何を感じているかを尋ねました。彼女は「一万本の矢が心臓に刺さっているようだわ」と答えました。
私は彼女の心に痛みがあることを認め、彼女以外の誰かに問題があることを言うよりも、彼女が置かれた環境が彼女に与えた影響について気遣いました。
私は彼女に、男性である私と話すのはどう感じるか尋ねました。彼女は安心だと答えました。
私は彼女にこう伝えました。その矢は男性が刺したものです。男性として私がその矢を外すお手伝いがしたい。
そこで、私は彼女の完全なる了解のもと、彼女に向ってゆっくりと歩いていき、一歩進むごとに一本ずつ矢を抜くというワークを提案しました。
私はそのワークを始めました。抜いた矢を床に置いて、どれだけ彼女の心が痛んでいたかを認識していると伝えました。
私は彼女が、何を感じているか聞いてみました。彼女は痛みを伴う感情を覚えていましたが、同時に彼女の心の琴線に深く触れ、少し解放されたと教えてくれました。
最後に私は、彼女に三本の矢を使った儀式をしてみるよう勧めました。彼女が受け入れられる範囲の儀式です。彼女は矢を埋めるという儀式を選びました。
そこで、私は彼女に空想のストーリーを伝えました。私たち二人は旅に出かけました。森の中に入り矢を埋めました。これらの矢があったという事実を認め、その上で地中に葬るというものです。
この体験の最後は、彼女に明るさを与えるものであり、本当にその儀式を見聞きしているかのようでした。
私は彼女に宿題を出しました。それは、いま行った儀式という名のワークを、毎日三本ずつ矢の数を増やして一日に一回行うというものです。
このワークでは、最初に彼女の背景をより深く理解するために、彼女の心の地図を描きました。そして私は、自分が男性である事実をヒーリングの手順に盛り込みました。私はそれぞれの過程で、ゆっくりと、しかも多くの選択肢をもたらしながらワークを進めました。
私は彼女が口にした、たくさんの矢という例えを本気で取り扱いました。このワークの大切な要素は、何本の矢が抜かれたかということではなく、心の痛みが永久的にそのままにしておくということでもなく、むしろ矢を抜くというプロセスの始まりが、彼女の心に変化をもたらすということでした。いま彼女は自分自身と向き合う方法を身につけました。
ここで用いられたゲシュタルト療法の試みは、彼女の口から提供されたものと言葉を、直接的に扱うというものです。私と彼女の関係が築かれたことにより、一連のワークが成立しています。
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